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国内株式市場見通し:大規模セミナー開催で薄商い、SQ売買に振らされるか

注目トピックス 市況・概況

■円相場は約5年11か月ぶりの円安水準に

先週の日経平均は上昇。内閣改造を控え、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革など政策期待が高まった。円相場が1ドル105円台と、約5年11か月ぶりの円安水準に乗せるなか、日経平均は7月末の戻り高値を突破し、一時15800円を回復した。第2次安倍改造内閣発足後はやや材料出尽くし感が意識されるなか、日銀の金融政策が現状維持と伝わり、やや利益確定の流れに。週末には欧州中銀(ECB)の予想外の利下げ決定を受けて円相場が再び1ドル105円台に乗せてきたが、ウクライナ政府と親ロシア派が週末に開催する同国情勢をめぐる会合を見極めたいほか、米雇用統計の発表を控えていたこともあり、高値圏でのこう着となった。

■米雇用統計下振れでやや手掛けづらく

週末に開催されたウクライナ政府と親ロシア派による停戦に向けた会合では、停戦で合意した。5日の米国市場ではこれを好感した格好だが、親ロシア派の一部は戦闘を続ける構えを見せていることもあり、停戦が実現できるかどうかは不透明な情勢だ。また、米雇用統計については、非農業部門雇用者数が前月比14.2万人増と20万人割り込み、コンセンサスを大きく下回った。ウクライナ停戦合意を受けた上昇で吸収され、結果的には早期利上げ観測が後退との見方となっている。ただ、米雇用統計が低調な結果となったことで、円相場は再び1ドル105円を下回る局面をみせており、東京市場にとっては手掛けづらくなろう。

■GPIF改革への思惑が相場の下支え

また、第2次安倍改造内閣が発足し、早速、新閣僚による発言などが相場の変動要因となってきている。塩崎働相はGPIFによるベンチャー企業への投資について前向きに検討する意向を示している。今秋に新しい資産構成の目安をまとめる見通しであり、GPIF改革への思惑が相場の下支えとして意識されよう。麻生財務相は、来年10月に予定される消費税率10%への引き上げに備えた補正予算編成の検討を表明している。展望リポートが公表される10月末に追加緩和が行われるとの見方などが高まりそうである。

■メジャーSQ、大規模セミナー開催で市場参加者減少か

ただし、底堅さは意識されることになろうが、週末には先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控え、先物等の需給要因の影響を受けることになりそうだ。また、今週はメリルリンチ日本証券が東京で機関投資家向けの大規模セミナー「ジャパンカンファレンス2014」を開くほか、バークレイズ、みずほ、CLSAなどもセミナーを開催する。そのため、機関投資家の市場参加が限られる可能性もあり、薄商いの中を先物主導で振らされる展開もありそうだ。一方、参加企業や講演等で取り上げられるテーマ等を手掛かりとした個人主体の物色が強まる可能性がある。テーマとしては、自動運転辺りが注目されそうだ。

■米アップル発表会やソフトバンク

そのほか、イベントとしては9日に米アップルの新製品発表会が予定されており、新型iPhoneとウェアラブル端末を発表する可能性があり、電子部品メーカーなど関連企業への物色が期待されよう。個別では中国の電子商取引最大手アリババが、米市場への上場に伴う仮条件が1株あたり60-66ドルに決まったと発表。これに伴い、筆頭株主のソフトバンク<9984>の保有分は、時価で最大5兆円超となる。SQ週であることも手伝って、指数インパクトが大きい同社の動向に関心が集まる。

そのほか経済指標では、8日に4-6月の国内総生産(GDP、2次速報)、7月の国際収支。10日に7月の機械受注などが予定されている。



<TN>

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