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国内株式市場見通し:日経平均16000円へ、海外投資家による日本株投資

注目トピックス 市況・概況

■日経平均は8ヶ月ぶりに15900円を回復

先週の日経平均は上昇。為替市場で円相場が円安基調を強める中、これが追い風になる格好から日経平均は、8ヶ月ぶりに15900円を回復。週末に先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていたほか、メリルリンチ日本証券が東京で機関投資家向けの大規模セミナー「ジャパンカンファレンス2014」を開くなか、全体としては商いが膨らみづらい需給状況だった。そのため、続伸ながらも日中は狭いレンジ内での取引となり、週半ばまでは15800円処での上値の重さも意識されていた。

しかし、その後ドイツ証券によるTOPIX先物の大量買いなどの需給要因もあってこの抵抗線をクリア。円相場は6年ぶりに1ドル107円台に乗せるなか、日経平均は目先の上値抵抗線を突破しうるなど、強いトレンド続に。安倍首相と日銀の黒田総裁による会談への思惑、黒田総裁によるテレビ番組での円安容認発言なども、相場の先高期待につながった。さらに、中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングの米国市場への上場が近づくなか、大株主であるソフトバンク<9984>が週を通じて強い動きをみせたことも、日経平均を押し上げる一因となった。

■ソフトバンク主導で節目の16000円試すか

日経平均は15984.90円と節目の16000円にあと一歩に迫った。3連休明け後の日経平均は、この節目を試す展開から始まることになりそうである。12日の米国市場は早期利上げへの警戒感から終日軟調となっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比50円安の15830円だった。一方、アリババ・グループ・ホールディングのIPO注文受付の好調が伝えられており、仮条件の引き上げなどへの思惑が高まりやすい。大株主のソフトバンク<9884>は12日のADR(米国預託証券)で4%を超える上昇をみせており、日経平均をけん引することになりそうだ。

そのほか、米アップルの新型スマートフォン「iPhone 6」の出足好調が伝えられている。米アップルは初回出荷が品切れとなったもよう。週明けには米アップの予約状況が伝えられる中、村田製作<6981>、日東電工<6988>といったハイテク株への資金流入なども意識されやすいだろう。

■日米の金融政策の方向性の違い

一方で、今週は16、17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、17日にはイエレンFRB議長の記者会見が行われるため、これを見極めたいとするムードが強まりやすいだろう。国内では日銀の黒田総裁が16日に大阪市内で講演するほか、18日には全国証券大会であいさつする。先週11日夜の為替市場では、ワールドビジネスサテライトに生出演した黒田総裁の発言を受けて、ドル・円は10分程度の間に60銭近く乱高下していた。市場では日米の金融政策の方向性の違いが意識されているため当局の発言への関心が高く、相場も反応しやすくなっているようである。年内110円台との見方もされるなか、円安を追い風とした株式市場の先高期待が日々高まることになりそうである。

■追加緩和やGPIF改革への思惑

また、週末にはアリババ・グループ・ホールディングが米国市場に上場すると予想されている。上場後は材料出尽くしになりそうだが、人気度合いによっては、ソフトバンク<9984>に思惑的な資金が集中しやすい。また、先週はメリルリンチ日本証券主催の大規模セミナーが話題に挙がっていたが、今回のセミナー等を受けた海外勢による資金流入への思惑が高まりやすいだろう。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革への思惑も下支えとして意識されるほか、高ROE銘柄への関心なども強まる可能性がある。

さらに、自民党の谷垣幹事長は、消費税率について2015年10月に予定通り10%まで引き上げるのが望ましいとの認識を示している。上げなかった時のリスクは対応が難しいと述べており、追加の緩和期待なども高まりやすく、より海外勢による資金流入への期待感につながろう。外部要因では18日のスコットランド独立住民投票を前に不透明感が高まりやすいだろうが、より海外勢の資金は日本にシフトしやすい。

そのほか、理化学研究所と先端医療振興財団は12日、世界で初めてiPS細胞を使った患者への移植を実施した。手術は無事終了しており、iPSなど再生医療関連への物色が意識される。18日から東京ゲームショウ2014が幕張メッセで開催されるため、足元で調整含みとなっているゲーム関連への見直しが意識されそうだ。



<TN>

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