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週初はコロンバスデーの祝日で債券市場が休場となる中、米国でのエボラ出血熱の感染拡大やS&P500指数が2012年以降初めて200日移動平均を割り込んだことが嫌気されて急落した。その後、大手行決算を受けて反発する場面もあったが、原油価格が一段安となったことでエネルギー関連を中心に弱含む展開となった。米国内で2例目となるエボラ出血熱の二次感染が明らかとなると一段安となり、9月小売売上高や生産者物価指数が相次ぎ予想を下回ったことも嫌気された。米国債10年物利回りが一時2％を割り込むなどリスク回避の動きが広がり、ダウ平均株価は一時460ドル安場面もあったが、その後下げ幅を縮小。週間新規失業保険申請件数や9月鉱工業生産が共に改善を示す内容となったほか、一部企業決算が好感された。その後欧州中銀のクーレ理事が、数日以内に資産購入（量的緩和）に踏み切ると発言したことをきっかけに欧州株が急騰。住宅金融のファニーメイとフレディーマックが、住宅ローン拡大に向けた新プログラムを開始するとの報道も好感され、米国株も週末にかけて大幅上昇となった。結局、週を通じて主要株式指数は下落

製薬の英シャイアーはアブビーが米政府から節税目的との反発を受け、買収計画を見直すことを表明し急落。動画ストリーミングのネットフリックスは契約者数の純増数が会社ガイダンスを下回るなど冴えない決算を発表して大幅下落となった。携帯端末メーカーのアップルは新型iPadを発表したものの、株価は上値の重い展開となった。一方でデルタ航空は、エボラへの懸念で一時売られたものの、原油価格の低下や決算が好感され上昇。好決算を発表したゼネラル・エレクトリックも堅調推移となった。

週末に株式相場が大きく反発したが、調整が終了し再び上昇基調を回復できるかどうか注目される。現時点でエボラ出血熱の米国内での二次感染は死亡したリベリア人男性を担当した医療関係者2名にとどまっているが、このまま収束するか、今後米国内でも感染が拡大するかは、時間の経過とともに慎重に見極める必要がある。マクロ要因としては、先週のクーレ理事の発言通りに数日以内に欧州中銀が量的緩和に踏み切るかどうかが焦点となりそうだ。

今週も引き続き多数の主要企業の7-9月期決算が控えている。ハイテクではITサービスのIBM(20日)、半導体のテキサス・インスツルメンツ（20日）、携帯端末のアップル（20日）、ポータルサイトのヤフー（21日）、ソフトウェアのVMウェア（21日）、マイクロソフト（23日）などの決算発表が予定されている。アップルは、売上や利益の半分以上を占めるiPhoneの販売動向が注目されるが、アナリストは3500〜4000万台を見込んでいるようだ。既にiPhone 6の発売開始後3日間で1000万台を販売したことを明らかにしているが、平均販売価格がどの程度改善しているかが注目だろう。また決算発表と同日から決済サービスのApple Payを開始する予定。ヤフーは、アリババ上場後の初の決算となることから、特別配当や増配などの資金還元策に注目が集まりそうだ。

ハイテク以外のダウ構成銘柄では、航空機エンジンなど複合企業のユナイテッド・テクノロジーズ（21日）、飲料品のコカ・コーラ（21日）、ファストフードのマクドナルド（21日）、保険のトラベラーズ（21日）、通信のベライゾン（21日）、航空機のボーイング（22日）、化学製品のスリーエム（23日）、家庭用品のプロクター＆ギャンブル（24日）などが決算発表を予定している。マクドナルドは、今月7日に競合のヤム・ブランズが発表した決算で、中国の期限切れ肉使用の問題はあったものの予想を上回る内容だったことから、やや楽観的な見方が広がっている。

経済指標では9月中古住宅販売件数（21日）、9月景気先行指数（23日）、9月新築住宅販売件数（24日）などの発表が予定されている。先週、政府管理下にある住宅金融ファニーメイとフレディーマックが融資拡大に向けたプログラム導入を明らかにしたこともあり、やや停滞気味だった米国住宅市場が再び上向く兆しを確認できるか注目したい。

（Horiko Capital Management LLC）


＜TN＞