欧米為替見通し:ドル過剰の時代から不足の時代の予感
[14/10/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日30日の欧米市場のドル・円は、米国の7-9月期の国内総生産(GDP)速報値を見極める展開となる。
米国7-9月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率+3.0%(最低:+2.1%、最高:+4.0%)と予想されており、4-6月期の前期比年率+4.6%からの減速が見込まれている。
しかしながら、連邦公開市場委員会(FOMC)声明で「米経済は緩やかなペースで拡大」と表明されていたことで、おそらく、前期比年率3.0%台の数字が発表されるのではないだろうか。
もし、予想を下回る成長率だった場合でも、明日の日本銀行金融政策決定会合での追加緩和観測を受けて、ドル・円は下げ渋る展開が予想される。
イエレンFRB議長は、米国連邦準備理事会(FRB)の家訓「FRBの仕事は、パーティーが盛況になっている最中にお酒の入ったパンチボウルを片付けること」に従って、量的緩和第3弾の終了を宣言し、市場へのドルの供給を停止し、ドルの流動性供給を謳歌してきたパーティーの終りを告げた。
米国の財務省は、「タックス・インバージョン規制」により、米国の多国籍企業の米国への資金還流(ドル買い要因)を促している。
また、カーニー金融安定理事会(FSB)議長は、巨大銀行に対して自己資本比率の16-20%程度への引き上げを要請(ドル買い要因)している。
市場は、米国連邦準備理事会(FRB)による約4,000,000,000,000ドルの過剰なドル供給を謳歌してきたパーティーの終焉により、ドル不足の時代が到来するのかもしれない。
【今日の欧米市場の予定】
17:55 独・10月失業率(予想:6.7%、9月:6.7%)
18:30 南ア・7-9月期失業率(予想:25.6%、4-6月期:25.5%)
18:30 南ア・9月生産者物価指数(前年比予想:+6.9%、8月:+7.2%)
19:00 ユーロ圏・10月景況感指数(予想:99.7、9月:99.9)
19:00 ユーロ圏・10月業況判断指数(予想:0.05、9月:0.07)
21:00 南ア・9月財政収支(予想:-111億ランド、8月:-73.3億ランド)
21:30 米・7-9月期国内総生産速報値(前期比年率予想:+3.0%、4-6月期:+4.6%)
21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:28.5万件、前回:28.3万件)
22:00 独・10月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.9%、9月:+0.8%)
22:00 イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長がFRB主催会議で挨拶
02:00 米財務省7年債入札(290億ドル)
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