日経平均は755円高、日銀追加緩和決定で年初来高値を更新【クロージング】
[14/10/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
31日の日経平均は大幅に続伸。755.56円高の16413.76円(出来高概算40億1000万株)で取引を終えている。9月25日以来の年初来高値を更新し、一時2007年11月以来、約7年ぶりに16500円に乗せる局面もみられた。日銀は金融政策決定会合で、マネタリーベースを年間で約80兆円増加するペースで資産買い入れを行う追加緩和を決定。これまでに比べて10-20兆円の追加となる。資産買い入れは、長期国債を年間約80兆円、ETFを同約3兆円、J-REITを同約900億円、それぞれ保有残高が増加するペースで行う。
この発表をキッカケに日経平均は急伸し、あっさり16000円を回復すると、その後も上げ幅を拡大する展開となった。先物市場では東証では商いが集中したことにより、価格表示等の遅延が見られるほど売買が急増している。東証1部の値上がり数は1600を超えており、全体の9割を占める全面高商状に。セクターでは不動産が上昇率トップ。その他金融、証券、倉庫運輸といった緩和メリットセクターが上昇率上位に並んだ。
日銀会合の結果待ちの中、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、現金など短期資産を除く運用資産のうち、国内債券を現行の約6割から中長期的に35%に下げる一方、国内株式を25%に上げる見通しと報じられており、GPIF改革への思惑が相場をけん引していた。その、GPIFだが、一部報道では「新資産構成で国内株の比率引き上げを承認」と伝えられている。
政策問題では不透明感が強まってきているが、需給面では日銀の追加緩和、GPIF改革によって市場は押し上げられる展開が期待されそうである。ただ、決算が本格化している中であり、インデックス買い等で急伸したとしても、次第に冷静さを取り戻すことで、業績相場の流れが強まるだろう。いったんは業績上振れ期待が後退していたが、緩和政策によって円相場が1ドル111円台に乗せており、通期計画を据え置きとしても、失望にはつながらなくなりそうだ。
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