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資金回転速く需給調整は一気に進む、押し目拾いのスタンス【クロージング】

注目トピックス 市況・概況

12日の日経平均は続伸となり、72.94円高の17197.05円(出来高概算31億2000万株)で取引を終えた。消費増税先送り、衆院解散・総選挙への思惑を手掛かりに、為替市場では円売りが強まるなか、主力大型株主導での上昇となった。消費増税先送りへの見方から不動産セクターが大幅な上昇となり、日経平均は一時17400円台を回復。しかし、菅官房長官が、消費再増税を1年半先送りするとの一部報道について「ありえない」などと発言が伝えられるなど、閣僚による発言が相次ぎ、これに株式、為替市場ともに翻弄させられる格好になった。

結局は大引けにかけて急速に上げ幅を縮めており、特に中小型株からの資金の逃げ足の速さが目立っている。東証1部の騰落銘柄は値下がり数が6割を占め、規模別指数では小型株指数が2ケタのマイナス。ジャスダック平均は辛うじてプラスをキープしたが、マザーズ指数は1%超の下げとなっている。セクターでは不動産が上昇率トップ。空運、小売、精密、パルプ紙などがしっかり。一方で、建設、海運の下落率は1%を超えている。

日経平均は連日で年初来高値を更新したが、過半数の銘柄が下げているほか、大引け間際から利益確定が強まった。先高期待が強いものの、思惑が先行していることもあり、オーバーナイトのポジションは取りづらいところでもある。また、日柄的にはピーク感も意識されやすいところであり、いったんは利益確定の流れに向かわせたようだ。

そのほか、要人発言が相次いでおり、株式以上に為替の反応が強く、引き続き要人発言、その後の過剰な反応には注視しながらのスタンスになりそうである。ただし、いったん調整に入ると一方向に資金が集中しやすい。そのため大幅な下げとなる銘柄も少なくないが、資金回転が速いため需給調整は一気に進むだろう。引き続き押し目拾いのスタンスは維持しておきたいところである。



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