米国株式市場見通し:原油価格が一段安、個人消費を後押しする可能性
[14/11/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
前週、中国や欧州の金融緩和をきっかけに過去最高値を更新した流れを受け、週初から買いが先行した。但し27日予定されている石油輸出機構(OPEC)総会の結果を見極めたいとの思惑が上値を抑えた。またミズーリ州のファーガソンで黒人少年が警察官に射殺された事件で、警察官が不起訴となったことへの抗議デモが一部暴動に発展したことが嫌気された。週半ばにかけては感謝祭(サンクスギビング)とOPEC総会を控えて手控えムードとなる中、年末商戦への期待感から底堅い動きとなった。27日は感謝祭でNY株式相場は休場。OPEC総会では減産の見送りが決定し、翌28日の原油先物相場では4年ぶりの安値となる70ドルを割り込んだ。28日の株式相場は午後1時までの短縮取引となり、原油・エネルギー関連株が売られる一方で「ブラックフライデー」に対する期待から小売セクターに幅広く買いが入った。結局、週を通じて主要株式指数は上昇。S&P500指数とダウ平均株価は再び過去最高値を更新した。
携帯端末メーカーのアップルは複数のアナリストの目標株価引き上げなどで過去最高値を更新し、時価総額が一時7000億ドルの節目を上回った。宝飾品小売のティファニーは好決算を発表して上昇。PCメーカーのヒューレット・パッカードは予想に概ね一致する決算を発表したものの、アナリストが楽観的な見通しを示し買われた。ディスカウントストアのターゲットや家電小売のベストバイは年末商戦への期待感から堅調推移。一方で深海油田開発のシードリルは債務削減の為に配当を中止することを発表して急落となった。音楽ストリーミングのパンドラ・メディアはアナリストの投資判断引き下げで軟調推移。
週初は感謝祭週末の小売各社が売上動向(速報)を発表するのが慣例となっている。OPEC総会後に原油価格が一段安となったことでガソリン価格も低下傾向にあり、個人消費を後押しする可能性が高い。先週28日のブラックフライデー当日、家電小売のベストバイのウェブサイトにアクセスが集中し、サーバーがダウンするトラブルがあった。特にスマートフォンやタブレットなど、モバイル端末からのアクセスが急増したことが要因と言われている。感謝祭の週末明けの月曜日(今年は12月1日が該当)はサイバーマンデーと呼ばれ、オンラインでの売上が急増する日と言われてきた。従来は、休暇中だった人々が月曜日に自宅や会社に出社することで、PCを使ってオンラインの各小売サイトから購入するというのが一般的なパターンだったからだ。しかしながら、近年スマートフォンやタブレット端末が普及し、小売各社もスマートフォン向けの対応を強化したことで、休暇中であってもネットで購入することが容易となっている。
引き続き、アパレルのアバクロンビー&フィッチ(3日)、百貨店のシアーズ・ホールディングス(4日)、ディスカウントストアのダラー・ゼネラル(4日)、食料品店のクローガーなど小売企業決算も予定されている。
経済指標では11月ISM製造業(1日)、同非製造業景況指数(4日)や11月新車販売台数(2日)、11月ADP雇用統計(3日)、11月雇用統計(4日)など月初となることから多数予定されている。雇用統計では失業率は5.8%で横這い、非農業部門雇用者数は22万人増が予想されている。またFOMC(連邦公開市場員会)での基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)も3日に発表される予定だ。
原油価格はOPECでの減産先送りを受けて先週NY先物市場で4年ぶりに70ドルの節目を割り込んだ。原油価格がどの水準で安定するかを慎重に見極める必要がある。原油価格の動向に応じて、引き続き原油採掘・サービス関連株や航空株の株価が大きく動く可能性がある。また米国の消費関連や製造業には間接的ながら、強力なプラス作用があり、原油価格が低位安定するようであれば、中長期的な株価の上昇要因となるだろう。
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携帯端末メーカーのアップルは複数のアナリストの目標株価引き上げなどで過去最高値を更新し、時価総額が一時7000億ドルの節目を上回った。宝飾品小売のティファニーは好決算を発表して上昇。PCメーカーのヒューレット・パッカードは予想に概ね一致する決算を発表したものの、アナリストが楽観的な見通しを示し買われた。ディスカウントストアのターゲットや家電小売のベストバイは年末商戦への期待感から堅調推移。一方で深海油田開発のシードリルは債務削減の為に配当を中止することを発表して急落となった。音楽ストリーミングのパンドラ・メディアはアナリストの投資判断引き下げで軟調推移。
週初は感謝祭週末の小売各社が売上動向(速報)を発表するのが慣例となっている。OPEC総会後に原油価格が一段安となったことでガソリン価格も低下傾向にあり、個人消費を後押しする可能性が高い。先週28日のブラックフライデー当日、家電小売のベストバイのウェブサイトにアクセスが集中し、サーバーがダウンするトラブルがあった。特にスマートフォンやタブレットなど、モバイル端末からのアクセスが急増したことが要因と言われている。感謝祭の週末明けの月曜日(今年は12月1日が該当)はサイバーマンデーと呼ばれ、オンラインでの売上が急増する日と言われてきた。従来は、休暇中だった人々が月曜日に自宅や会社に出社することで、PCを使ってオンラインの各小売サイトから購入するというのが一般的なパターンだったからだ。しかしながら、近年スマートフォンやタブレット端末が普及し、小売各社もスマートフォン向けの対応を強化したことで、休暇中であってもネットで購入することが容易となっている。
引き続き、アパレルのアバクロンビー&フィッチ(3日)、百貨店のシアーズ・ホールディングス(4日)、ディスカウントストアのダラー・ゼネラル(4日)、食料品店のクローガーなど小売企業決算も予定されている。
経済指標では11月ISM製造業(1日)、同非製造業景況指数(4日)や11月新車販売台数(2日)、11月ADP雇用統計(3日)、11月雇用統計(4日)など月初となることから多数予定されている。雇用統計では失業率は5.8%で横這い、非農業部門雇用者数は22万人増が予想されている。またFOMC(連邦公開市場員会)での基礎資料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)も3日に発表される予定だ。
原油価格はOPECでの減産先送りを受けて先週NY先物市場で4年ぶりに70ドルの節目を割り込んだ。原油価格がどの水準で安定するかを慎重に見極める必要がある。原油価格の動向に応じて、引き続き原油採掘・サービス関連株や航空株の株価が大きく動く可能性がある。また米国の消費関連や製造業には間接的ながら、強力なプラス作用があり、原油価格が低位安定するようであれば、中長期的な株価の上昇要因となるだろう。
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