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新興市場見通し:中小型株への物色意欲は強くしっかりした展開に

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先週の新興市場は、材料系の中小型株を中心に資金流入が継続し、堅調に推移した。日経平均が円安一服などを受けてこう着感の強い展開となったことから、個人投資家を中心に値幅取り狙いの中小型株への物色が強まった。個別材料を手掛かりとした日替わり物色の動きが中心となったほか、低位株にも積極的な買いが入った。また、マザーズ市場では、時価総額上位銘柄の一角が買い戻された。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.6%であったのに対して、マザーズ指数は+3.4%、日経ジャスダック平均は+0.8%だった。

個別では、オンコセラピー・サイエンス<4564>が一時前週末比208円高(+39.4%)の736円まで上昇。但し、11/28はストップ安まで売り込まれ、週間では7.4%高となった。また、FFRI<3692>が同38.1%高、オプティム<3694>が同22.4%高に。2銘柄とも株価は一時調整していたが、リバウンド基調となっている。カジノ構想推進への期待が再度高まったことから、テックファーム<3625>など関連銘柄も上昇に転じた。その他、マザーズ市場ではケアネット<2150>、フィンテック グローバル<8789>、インタースペース<2122>、メディネット<2370>など、ジャスダックではランシステム<3326>、研創<7939>、助川電気工業<7711>、トリケミカル研究所<4369>などの上昇が目立った。一方、アサカ理研<5724>が週間で33.5%安、ソフィアHD<6942>が同17.8%安と、前週まで大きく上昇していた銘柄の一角が反動安となった。また、ファーマフーズ<2929>やトレックス・セミコンダクター<6616>も、調整局面が続き下げが目立った。サイバーダイン<7779>は海外での資金調達を発表し、希薄化懸念から売り優勢となった。なお、11/27にCRI・ミドルウェア<3698>がマザーズ市場に新規上場したが、上場2日目の11/28も買い気配のまま初値が付かなかった。気配値は公開価格の約5.3倍まで上昇している。

今週の新興市場は、中小型株中心の相場が続き、しっかりした展開が想定される。前週までの上昇の反動で下押す場面もあるだろうが、個人投資家の物色意欲は引き続き強く、テーマ性のある銘柄や個別材料のあった銘柄を中心に積極的な買いが入るだろう。ただ、値幅取り狙いの短期物色が中心であることから、株価を押し上げやすい小型株がより選好されやすいか。また、値がさ株や低位株も引き続き物色対象となるだろう。一方、日替わり物色の傾向が強いことから、物色一巡後の急落には注意を要する。

衆議院議員選挙に向けて各党の公約が出揃い、カジノ解禁や訪日外国人増加などの観光振興、地方創生といった政府・与党の成長戦略に沿った個別材料には株価も好反応を示すだろう。また、インド企業との提携を発表したケアネットや、インドネシア大手ポータルサイトと提携したインタースペースのように、小型株では事業拡大への期待を高めるM&Aや提携のリリースも好材料視されやすくなっており、こうしたニュースは注目していきたい。

今週の決算発表は、12/4にアルチザネットワークス<6778>、12/5に鳥貴族<3193>、アイル<3854>などが予定されている。なお、今週の新規上場予定はなく、12月のIPOラッシュは12/11の弁護士ドットコム<6027>、ビーロット<3452>など4社の新規上場からスタートする。



<TN>

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