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国内株式市場見通し:年末ラリーに向けた中小型株の仕込みのタイミング

注目トピックス 市況・概況

■波乱含みの1週間に

先週の日経平均は下落。週初に18000円に乗せたことによる達成感が高まるなか、中国の景気減速懸念、ギリシャ大統領選前倒しによる政治混乱などを背景とした欧米市場の下落の影響を受け、週後半には17000円割れ寸前まで下げている。為替市場では1ドル121円台から117円台へ。週末に先物・オプションSQを控えるなか、SQ週の水曜日は荒れるとのアノマリー通り、10日の日経平均は400円を超える大幅な下げとなった。また、調整局面で日銀によるETF買が入らなかったことも、ネガティブ・サプライズとなり、先安感が強まる局面も。

もっとも、17000円までの下落により、目先的な一巡感も台頭。週末のSQでは下に幻のSQ値となる格好でリバウンドに。衆院選投開票を控えるなかで自民党圧勝との見方がコンセンサスとなり、改めて長期安定政権への期待感が高まる局面もみられた。また、月内28社のIPOラッシュが始まった。初値形成後は利食いに失速する銘柄があるものの、総じて堅調なスタートとなり、今後のIPOへの期待感も高まろう。

■自民圧勝は織り込み済みだが

今週はやや波乱含みの相場展開になりそうだ。12日の米国市場では原油相場の急落が嫌気され、NYダウは300ドルを超える下落となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比245円安の17135円となり、これにサヤ寄せする格好から幻のSQ値を割り込むため、一気に市場心理が弱気に傾きやすい。

また、14日の衆院選投開票の結果を受けての相場展開になる。自民圧勝は織り込み済みとなり、材料出尽くしを警戒する向きが大勢だ。ただし、日経平均は足元で一気に1000円の調整をみせていることもあり、出尽くし自体を織り込んだ格好にも映る。一方で、長期安定政権との見方やアベノミクス第2幕への思惑などから、政策関連への物色が強まる可能性はある。カジノ法案など先送りとなっている法案が、自民圧勝によって次期国会で成立する可能性なども意識されやすいところか。経済対策への思惑から、社会インフラ関連などへの政策に関連する分野への物色が強まろう。

■原油市場の動向を睨みながらの展開

とはいえ、先物・オプションSQを通過したことにより、海外勢などメジャー処はクリスマス休暇に入る。商いが細りやすいなか、短期筋の売買で振れやすい需給状況にも。そのため個人主体による中小型株での値幅取り狙いの商いが活発化しそうだ。そのほか、NISA資金流入なども意識されやすく、こちらは主力大型株が物色対象か。

まずは原油市場の動向を睨みながらの展開になろうが、ここまで下がると、シェールガスでは採算に合わない状況であり、商社のほかプラント関連などへの業績懸念が高まりやすい。水素自動車についても設備投資額からみれば、国策とはいえインフラ整備が遅れる可能性もあり、心理的にはマイナスのバイアスに。

■中小型株の仕込みのタイミング

その他経済スケジュールでは、15日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観12月調査)を発表する。事前予想の中央値は大企業製造業DIがプラス13(9月調査プラス13)。18、19日に日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合を開き、会合後に黒田総裁が会見する。海外では、16日に11月の米住宅着工件数、16、17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。

FOMCでは、声明文の中から「当分の間」利上げはしないという表現が削除されるという見方がされており、市場の注目度が高い。削除されるようだと、早期利上げ観測につながり、嫌気される可能性が高いだろう。ただし、米経済が強い表れであり、嫌気売りは一過性とみておきたい。一方で、欧州や中国などは依然として不安定な状況であり、結局は米国に資金が向かいやすいだろう。

日本についても自民圧勝は織り込み済みとはいえ、長期安定政権を背景に改めて資金が向かいやすいとみておきたい。市場が混乱のなか、先物主導によるインデックス売りの影響を受けやすいだろうが、年末ラリーに向けた中小型株の仕込みのタイミングを探るところである。



<TN>

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