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新興市場見通し:IPOラッシュでの換金売り圧力は引き続き警戒視

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先週の新興市場は、全般的にリスク回避の動きが強まる中で、個人投資家のマインド悪化なども意識される展開になった。また、11日からのIPOラッシュスタートを控えて、換金売り圧力なども強まる状況に。とりわけ、マザーズの直近上場銘柄にはこう下売り圧力が集中したと見られ、相対的に下げが大きくなった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-3.1%であったのに対して、マザーズ指数は-4.0%、日経ジャスダック平均は-1.3%だった。

個別では、SHIFT<3697>、CRI・ミドルウェア<3698>、FFRI<3692>など直近上場で、株価の好パフォーマンスが目立った銘柄が軒並み下落率の上位に。IPOラッシュに向けた換金売りの対象となった。また、ガンホー<3765>、サイバーダイン<7779>、タカラバイオ<4974>、Dガレージ<4819>など時価総額上位銘柄でも、同様の換金売りからきつい下げとなるものが多くなった。前週に上昇の目立ったフィンテック グローバル<8789>、eBASE<3835>、MCJ<6670>なども利食い売りが優勢の展開となる。ユビキタス<3858>は新株予約権発行で希薄化が懸念される。一方、週末は伸び悩んだもののユナイテッド<2497>が上昇。主力のスマホアプリのダウンロード数好調が手掛りとなる。エン・ジャパン<4849>はアナリストの高評価が買い材料につながる。リバーエレテク<6666>は前週に続いての急騰。引き続き、低消費電力のクロック用水晶発信器が期待材料に。なお、先週は5社がIPO、各銘柄ともに公募価格比で初値は高騰したものの、ビーロット<3452>が連日で買い気配のまま値付かずとなっている一方、スノーピーク<7816>、GMOTECH<6026>、クラウドワーク<3900>などは初値から急落する展開となり、上場2日目に初値をつけた弁護士ドットコム<6027>も一時は下げ幅を広げる動きとなった。

今週の新興市場は、引き続き換金売り圧力が意識される展開となろう。今週は14社、来週は9社のIPOが予定されており、テクノプロ<6028>、gumi<3903>、メタウォーター<9551>など、公開規模の大きな案件も多くなっている。換金売りの対象となりやすい新興市場銘柄は、直近IPO銘柄、時価総額や売買代金の大きい銘柄、直近で上昇率が高い銘柄などを中心に、買い手控えムードが強まっていく可能性も高いだろう。また、先週末の欧米株式市場が大幅安となっているように、原油市況の下落やギリシャ懸念の再燃などから、リスク回避の動きが強まる状況となっており、個人投資家全般のマインド低下の影響なども警戒されるところだ。

先週末の四季報発売などを受けて、好決算期待銘柄などが散発的に物色される可能性はあろう。また、衆院選を通過して、インバウンド投資、地方創生、公共工事関連など、政策期待銘柄にテーマ物色の流れが向かう公算も。ほか、IPO銘柄では寄り付き後に選別物色の流れが強まっていく状況も想定。エイチーム<3662>の好決算やgumi<3903>の上場を控えて、ゲーム関連に関心が向かうかも注目。一方、エナリス<6079>の下方修正を受け、全般的な信用リスクの高まりは警戒される。

先週のIPO銘柄の初値後の動向を見る限り、今週はやや初値買い意欲は沈静化する可能性。なかでは、アトラ<6029>、マークラインズ<3901>、アドベンチャー<6030>、サイジニア<6031>、フルッタフルッタ<2586>などの注目度が相対的に高いとみられる。



<TN>

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