国内株式市場見通し:2015年相場への期待から大納会で高値更新試すか
[14/12/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■第3次安倍内閣発足で政策期待が高まる
先週の日経平均は上昇。日本が祝日のときに米国ではNYダウが終値で初の18000ドル台に乗せたことで、買い安心感が広がった。また、衆院選を受けた第188特別国会が24日召集され、衆参両院は安倍首相を第97代首相に選出。第3次安倍内閣が発足するなか、政策期待なども高まる格好に。
ただ、クリスマス休暇を控えて機関投資家など参加者は限られているため、その後は17800円処でのこう着が続いた。それでも、政府の経済対策やクリスマス明けの海外勢の資金流入期待から、物色意欲は強い。そのほか、IPOラッシュが通過し、足元で換金売りに押されていた中小型株などへ資金が還流しており、週末の日経平均は10円高とこう着ながらも、東証1部の値上がり数は7割を超えていた。
■大納会で年初来高値を試す
年内残すところ、あと2営業日となった。26日の米国市場では商いは閑散ながらもNYダウは7営業日続伸で史上最高値を更新している。シカゴ日経225先物清算値は17900円に乗せており、クリスマス明けの海外勢による資金流入が期待される。また、政府は26日に自民・公明両党に対策の内容を示し、27日に緊急経済対策を閣議決定。30日に自民、公明の与党が来年度税制改正大綱を発表する。対策では消費刺激や地方創生向けに1.8兆円、災害復旧などに1.7兆円を使う。目新しい材料ではないが、安倍長期政権が動き出すことで2015年相場への期待感も高まるであろう。そのため、残り2営業日で日経平均は年初来高値を試す相場展開が意識されそうである。
ただし、29日にギリシャ議会が大統領選出のため第3回投票を実施する。市場は29日の最終投票にもつれ込む可能性は織り込んでいるが、結果次第では金融不安が再燃することも考えられる。一方で、これが通過することにより市場の関心は安倍長期政権への期待に向かうことになる可能性も。楽観視する訳ではないが、外部環境の不透明感が強まる局面においては、政策をテーマとした内需関連にシフトしやすいとみておきたい。
また、年越しのポジションは取りづらいだろうが、今年は12月のIPOが28社と多く、これに伴う換金売りなどから11月以降、調整が強まっていた中小型株は多かった。ロシア金融情勢への不透明感から積極的なポジションが取りづらかったこともあり、昨年末のような翌年に対する期待先行の動きはそれ程高くないと考えられる。来年のテーマ等を意識しつつ、足元で調整していた銘柄等への見直しなども強まることになりそうだ。
■9日には米雇用統計、オプションSQ
2015年大発会は1月5日となる。12月30日、31日、1月2日の米国市場の動向や為替市場の動向などの影響を受けてのスタートとなる。経済イベントでは6日に米12月のISM非製造業総合景況指数、12月のユーロ圏総合PMI、12月の中国HSBCサービス行PMI。7日は米FOMC議事録、12月のADP雇用報告。9日には12月の米雇用統計が予定されている。また、9日に1月のオプションSQとなるが、前日には指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>の決算が予定されている。2014年の日経平均は、まず発会が高値となり、4月には14000円を割り込む局面をみせたこともあり、2015年は好スタートを切れるかが注目される。
■高ROE銘柄への関心高い、テーマ物色も継続
なお、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による日本株の資産構成割合引き上げへの思惑から、2014年同様、「JPX日経インデックス400」への関心は高く、ROEが高水準の企業が重視される。当然、企業についてもROE向上に向けた株主還元策に取り組む動きは続くと考えられ、この相乗効果が株式市場の底堅さにつながる要因として期待される。
イベントでは6日から、米ラスベガスで世界最大の家電見本市「CES」が9日まで開催される。ウエアラブル端末など新製品・新技術等が発表されるとみられており、ハイテク企業への物色材料になりそうだ。その他、2015年も継続的ながら様々なイベントやテーマがあり、燃料電池車MIRAI(ミライ)のほか、リニア、北陸新幹線の全線開業、人材不足、デング熱、日本郵便、USJ、アナと雪の女王2など。一方、原油やロシア情勢、ギリシャなど欧州情勢などの外部環境にも注意が必要であり、外部環境の不透明の中では、よりテーマ性のある材料銘柄に資金が向かいやすいだろう。そのほか、クールジャパン効果もあって、エヴァンゲリオン、進撃の巨人等のイベント開催が、より訪日観光客の増加につながるか注目されよう。
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