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新興市場見通し:新規上場ラッシュが終了、12月IPO銘柄を見直す動きも

注目トピックス 市況・概況

先週の新興市場は、年内受け渡し最終売買日を前に換金売りが強まり、主力株や直近IPO銘柄を中心に大きく値を崩す場面があったものの、後半には売りが一巡し買い戻し優勢の展開となった。海外勢がクリスマス休暇で不在だったことなどから日経平均はこう着感の強い展開となり、個人投資家の資金は中小型株に向かった。また、12月IPOラッシュも最終盤となり、初日値付かずの好初値銘柄が複数みられた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.1%であったのに対して、マザーズ指数は+0.9%、日経ジャスダック平均は+1.2%だった。

個別では、オンコセラピー・サイエンス<4564>が週間で18.0%高、サイバーダイン<7779>が同11.0%高、フィンテック グローバル<8789>が同8.6%高と、マザーズ主力銘柄で週後半のリバウンドが顕著だった。FFRI<3692>は情報セキュリティに対する関心の高まりから同18.0%高。また、12月IPO銘柄の一角が物色され、ビーロット<3452>が同69.7%高となったほか、サイジニア<6031>は連日のストップ高に。その他、マザーズではアクセルマーク<3624>、アプリックスIP HD<3727>、BEENOS<3328>、ジャスダックではガーラ<4777>、ホロン<7748>、アールビバン<7523>などの上昇が目立った。一方、ミクシィ<2121>は週前半の換金売り圧力が強く、週間で10.7%安ときつい下げに。CRI・ミドルウェア<3698>やオプティム<3694>、ファーマフーズ<2929>も下げが目立った。ジャスダック主力では日本マイクロニクス<6871>が同10.3%安、ガンホー<3765>が同1.7%安、日本通信<9424>が同1.5%安と軟調だった。なお、先週は9社が新規上場したが、25日上場のカヤック<3904>、エクストリーム<6033>、26日上場のMRT<6034>が初日値付かずと人気化。また、データセクション<3905>は初値形成後2日連続でストップ高となった。

今週から来週にかけての新興市場は、新年相場への期待感もあり、中小型株を再評価する動きが広がる展開となることが想定される。年内受け渡し最終売買日を通過して、換金売りは一巡。前週末には買戻しで大幅高となる銘柄が多かったものの、12月初めの水準と比較すれば依然として値ごろ感がある。

新規上場ラッシュが終わり、12月IPO銘柄を見直す動きも予想される。セカンダリーで好パフォーマンスを見せているビーロット、U-NEXT<9418>、サイジニアなどに加え、話題性のあるクラウドワークス<3900>やカヤック、初値形成後下落が続いているものの訪日外国人関連であるアドベンチャー<6030>、需給妙味の大きいエクストリームにも注目したい。また、政府による経済対策や来年度予算に関する報道が伝わり、幼児活動研究会<2152>のように子育て支援や地方創生、インフラ整備などの政策関連銘柄の一角が動意を見せている。今後も物色の広がりが期待されよう。

今週から来週にかけての決算発表は、1月7日にUSEN<4842>、8日にブロッコリー<2706>、メディアドゥ<3678>、クリーク・アンド・リバー社<4763>、9日にSHIFT<3697>、サイバーステップ<3810>、エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>などが予定されている。なお、1月のIPOは発表されておらず、例年どおり空白期になるもよう。年末年始での2月IPO案件の発表に期待したい。



<TN>

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