欧米為替見通し:ドラギ欧州中銀総裁の忍耐
[15/01/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日14日の欧米市場のドル・円は、原油価格、ギリシャ、ロシア情勢を警戒しつつ、米国の12月の小売売上高に注目する展開が予想される。
プーチン露大統領がクリミア地方への軍事増強を示唆し、オバマ米大統領がイスラム国へ空爆増強を示唆していることで、地政学的リスクへの警戒感が高まりつつある。
また、商品市況の下落や資本規制の強化を受けて、ヘッジファンド勢による円・キャリートレードの手仕舞いで円買い圧力が強まりつつある。
米国の12月の小売売上高は11月から減少することが予想されており、米国10-12月期の国内総生産(GDP)の算出に使用される小売売上高(自動車、ガソリンスタンドの売上、建材を除く)に注目することになる。
本日、欧州司法裁判所がドラギ欧州中銀総裁のバズーカ砲「国債購入プログラム(OMT)」が、リスボン条約に違反しているのか否かの審判を下すことになっている。
ドラギ欧州中銀総裁は、2012年7月に「ユーロを守るためには何でもする」と表明し、「国債購入プログラム(OMT)」を打ち出した。
リスボン条約では、欧州中央銀行(ECB)によるユーロ圏参加国の国債購入を禁止しており、ドイツ連邦憲法裁判所は欧州司法裁判所へ条約違反の判断を委ねている。
ユーロ圏のディスインフレ懸念を受けて、22日の欧州中央銀行定例理事会では、量的緩和による国債購入策が導入される可能性が高まっている。
しかしながら、欧州司法裁判所が欧州中央銀行(ECB)による国債購入をリスボン条約違反、と判断した場合、バイトマン独連銀総裁などの量的緩和の反対派が勢いづくことになる。
【今日の欧米市場の予定】
19:00 ユーロ圏・11月鉱工業生産(前月比予想:0.0%、10月:0.1%)
21:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:+11.1%)
22:30 米・12月小売売上高(前月比予想:-0.1%、11月:+0.7%)
22:30 米・12月輸入物価指数(前年比予想:-5.2%、11月:-2.3%)
24:00 米・11月企業在庫(予想:+0.3%、10月:+0.2%)
04:00 米地区連銀経済報告書公表
米フィラデルフィア連銀総裁が講演予定
米企業決算:JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴなど
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