欧米為替見通し:ドラギ欧州中銀総裁のバズーカ砲第2弾
[15/01/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日21日の欧米市場のドル・円は、22日の欧州中央銀行定例理事会、25日のギリシャ議会選挙への警戒感から上げ渋る展開が予想される。
明日22日の欧州中央銀行定例理事会では、国債購入による量的緩和策が導入されることが予想されている。
ドラギ欧州中銀総裁は、2012年夏に「ユーロを守るためには何でもする」とユーロ防衛宣言をして、国債購入プログラム(OMT)というバズーカ砲第1弾を打ち出した。
欧州連合の基本条約「リスボン条約」は、欧州中央銀行(ECB)による参加国国債の購入は、「財政ファイナンス」にあたるとして禁止しているが、欧州司法裁判所が条件付で合法と判断したことで、バイトマン独連銀総裁による歯止めが効かなくなった。
古今東西の相場格言は、早めの損切りの重要性を説いている。
ユーロ圏は、参加資格を粉飾したギリシャの追放を、粉飾決算が明らかになった2004年、財政赤字の偽りが明らかになった2009年に決断できず、今回も弥縫策による損切先延ばしとなるのかもしれない。
バズーカ砲第2弾の注目ポイントは3点ある。
1)国債購入金額
ドラギ欧州中銀総裁は、バランスシートを1兆ユーロ拡大すると発言しているが、量的緩和第1弾が1兆ユーロになるのか、それとも5000億ユーロ程度に留まるのか。
2)国債購入をする中央銀行
欧州中央銀行(ECB)への出資比率に応じて、欧州中央銀行(ECB)が各国の国債を購入するのか、それとも、各国の中央銀行が当該国の国債を購入するのか。
3)購入対象国
国債購入の対象国を「AA」「AAA」の格付けに限定するのか、それとも、ギリシャ国債も対象とするのか。
【今日の欧米市場の予定】
17:00 南ア・12月消費者物価指数(前年比予想:+5.5%、11月:+5.8%)
18:30 英国中央銀行金融政策委員会(MPC)の議事録公表(1月開催分)
18:30 英・12月失業率(予想:2.6%、11月:2.7%)
18:30 英・9-11月ILO失業率(予想:5.9%、8-10月:6.0%)
21:00 米・先週分MBA住宅ローン申請件数(前回:49.1%)
22:30 米・12月住宅着工件数(予想:104万戸、11月:102.8万戸)
22:30 米・12月住宅建設許可件数(予想:106万戸、11月:105.2万戸)
24:00 カナダ中央銀行が政策金利発表(1.00%で現状維持の予想)
04:30 イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が金融安定監督評議会の会合出席
ブラジル中央銀行が政策金利発表(現行は11.75%、0.5%利上げの可能性)
世界経済フォーラム・ダボス会議(24日まで)
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