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米国株式市場見通し:決算発表ピーク、アブドラ国王死去で石油政策も注視

注目トピックス 市況・概況

週初は欧州やアジアの株価上昇を受けて買いが先行。一時、原油価格の下落を受けてエネルギー関連株を中心に弱含む場面もあったが、10−12月期決算への期待感などからハイテク銘柄を中心に堅調推移となった。週半ばにかけても欧州中銀(ECB)による量的緩和の観測報道が好感され上昇。12月住宅着工件数が市場予想を上回ったことや、主要企業決算も概ね良好な内容が相次いだ。注目のECB理事会では量的緩和に踏み切り、ユーロ圏国債を2016年9月まで毎月600億ユーロ買い入れることを決定したことが好感されて急上昇。その後、利益確定売りや25日に予定されているギリシャ総選挙結果を控えて慎重姿勢が広がったが、結局、週を通じて主要株式指数は上昇。ナスダック総合指数は年初来で上昇に転じた。

動画ストリーミングのネットフリックスは決算での強気の見通しと、契約者数増加が好感され上昇。信託銀行のノーザン・トラストは、決算がアナリスト予想を上回ったことで買われた。検索大手グーグルは宇宙開発ベンチャーのスペースXに出資することが報じられ堅調推移。オークションサイト運営のイーベイは決算が市場予想を上回った事に加えて2400人規模の人員削減案を発表し上昇。航空会社のサウスウエスト・エアラインズも好決算を発表して堅調推移となった。一方で、ITサービス大手のIBMは決算で売上高が市場予想を下回ったことが嫌気され上値の重い展開となった。為替証拠品取引のFXCM(FXCM)は、スイス・フランの対ユーロでの上限撤廃を受け、証券会社ジェフリーズを傘下に持つルーカディア・ナショナル(LUK)から3億円の融資を受けたが急落となった。

27日から28日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。原油価格が下落、欧州中銀が量的緩和に踏み切り、世界的に金融緩和傾向が強まる中で、米国が今年後半にかけて利上げに踏み切れるかどうか、懐疑的な見方も少なくない。

今週10−12月期決算発表がピークを迎える。ソフトウェアのマイクロソフト(26日)、家庭用品のP&G(27日)、航空・宇宙関連製品のユナイテッド・テクノロジーズ(27日)、携帯端末のアップル(27日)、航空機のボーイング(28日)、ソーシャルネットワークのフェイスブック(28日)、自動車のフォード(29日)、エネルギーのシェブロン(30日)などの決算発表が予定されている。シェブロンは7−9月期決算で純利益が前年同期比13%増と市場予想を上回った。石油製品の精製・販売などの下流部門の増益が開発・生産などの上流部門の減益を補ったことが主因である。しかし、直近の原油安の影響で同社株価は9月末より約10%下落しており、23日にはクレディスイスが投資判断を引き下げた。決算では原油安の影響で予想を下振れするリスクに注意が必要だ。

経済指標では、12月米耐久財受注及び1月米消費者信頼感指数(27日)、10-12月期GDP速報値(30日)の発表が予定されている。10-12月期GDP速報値は3%程度の成長予想となっている。

23日、サウジアラビアのアブドラ国王が死去したことを受けて同国の石油政策に変化があるのか注目を集めている。国王の死去が報じられた後、石油政策の先行き不透明感から、NY原油先物相場は1バレル47.76ドルと前日比で1.45ドル高となった。同国の原油生産コストは7-10ドルといわれている一方、シェールガス業者は70ドル前後といわれており、資金力のあるOPEC加盟国は、原油価格の低下によってシェールガス業者の採算割れを起こし、生産能力増強の抑制を狙っていると言われる。体制の移行に伴い、同国の新しい指導部が中東諸国やその他の国々との関係をどのように築いていくかが、原油先物相場の新たな変動要因となりそうだ。

(Horiko Capital Management LLC)




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