欧米為替見通し:ポルシェ指標と滞納税が高いギリシャの借金延長要請
[15/02/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日19日の欧米市場のドル・円は、ギリシャ政府による融資延長の申請、米国2月の雇用統計の調査対象週の新規失業保険申請件数などに注目する展開となる。
1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、平均時給への警戒感が示されたが、米国の1月の雇用統計が発表される前の議論だった。本日は、米国の2月の雇用統計の調査対象週(2月12日)の新規失業保険申請件数を見極めることになる。
本日、ギリシャ反緊縮政権は、国際支援団に対して、最大6カ月間の融資延長を申請することが予想されている。
ショイブレ独財務相は、ギリシャが緊縮財政措置などの条件無しに融資延長を申請することに対しては反対との立場を崩していない。
ギリシャの2014年の歳入は、514億ユーロだったが、300億ユーロ程度の脱税があった模様で、滞納税額は760億ユーロに上っている。
「ポルシェ指標」とは、ドイツの高級車ポルシェの販売台数で、景気回復や過熱感の度合いを見極めるものだが、ギリシャでのポルシェ「カイエン」の登録台数は、年収50000ユーロ以上の納税者よりも多いことが知られている。
ツィプラス・ギリシャ首相が、滞納されている税金を徴収するのではなく、ドイツなどの納税者に対して、借金の増額や延長を要請するのは虫が良すぎるのだが、彼の手中からは切り札である「グリグジット(Grexit:ギリシャのユーロ離脱)」が見え隠れしている。
本日、量的緩和の導入を決定した1月の欧州中央銀行定例理事会(25名)の議事録が初めて公表されるが、全員一致だったのか、それとも何名かの反対者がいたのかを見極めることになる。
【今日の欧米市場の予定】
21:30 欧州中央銀行(ECB)1月理事会議事要旨
22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:29万件、前回:30.4万件)
24:00 米・2月フィラデルフィア連銀景況指数(予想:9.0、1月:6.3)
24:00 米・1月景気先行指数(前月比予想:+0.3%、12月:+0.5%)
24:00 ユーロ圏・2月消費者信頼感指数(予想:-7.5、1月:-8.5)
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