為替週間見通し:強含みか、米国の失業率は低下予想
[15/03/01]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■ドル・円はやや強含み、10-12月期米国内総生産改定値は予想を上回る
先週のドル・円はやや強含み。118円63銭から一時119円84銭まで買われた。国際支援団がギリシャに対する融資の4カ月延長を承認したことでリスク回避的なドル売りは一服。イエレンFRB議長は議会証言で早期の利上げ開始に否定的な見解を示したが、10-12月期の米国内総生産改定値が予想を上回ったことや月末のドル需要などでドルは底堅い動きを続けた。取引レンジは118円63銭-119円84銭。
■ドル・円は強含みか、米国2月失業率の低下予想で
今週のドル・円は、米国の2月の失業率が5.6%へ低下することが予想されていること、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産の投資増額への期待があることから、ドルは対円で強含みに推移すると予想される。
しかしながら、3月期末に向けた本邦機関投資家のリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)が次第に増える可能性があるため、ドル大幅高の可能性は低いとみられる。リスクシナリオは、ウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化を受けたリスク回避の円買い圧力の増大懸念となる。
■米国1月インフレ率(2日)
米国連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標と注視している米国1月のコア個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+1.3%と予想されており、上昇率は12月と同水準になると見込まれている。1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、インフレ目標(+2.0%)を下回る低インフレ率の長期化が警戒されており、予想を下回った場合は利上げ先送り観測が再浮上する可能性がある。
■米国2月の雇用統計(6日)
米国の2月雇用統計の予想は、失業率が5.6%で1月の5.7%からの低下、非農業部門雇用者数は、前月比+24.0万人で、1月の+25.7万人からの増加幅の減少が見込まれている。ただし、予想通りならば、17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で「忍耐強く」という文言が削除される可能性が高まることになる。
■安倍政権の円安抑制政策
安倍政権は、対内的には、4月の統一地方選挙に向けて、原材料輸入価格の高騰に苦しむ地方中小企業への配慮から、円安を牽制する発言を繰り返している。また、対外的には、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が難航していることで、ドル高・円安を抑制するスタンスを強めている。
主な発表予定は、2日(月):(米)1月個人支出、4日(水):(米)2月ISM非製造業景況指数、6日(金):(日)1月景気動向、(米)1月貿易収支
・予想レンジ:118円00銭-121円00銭
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