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新興市場見通し:10社が控えるIPOラッシュ、資金還流に期待も

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先週の新興市場は、日経平均が連日で昨年来高値を更新し19500円台を回復するなか、相対的に低調なパフォーマンスとなった。ただ、20日には出遅れ感の強まっていたマザーズ銘柄への資金流入の動きが見られ、マザーズ指数は前日比+2.3%の大幅高となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.6%であったのに対して、マザーズ指数は+0.5%、日経ジャスダック平均は+0.3%だった。先週はマザーズに3社、ジャスダックに2社が新規上場したが、うち3社が初日値付かずの人気となった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で2.0%高、サイバーダイン<7779>が同3.6%高。コマツ<6301>との業務提携を発表したオプティム<3694>は同13.4%高、ソフトバンク<9984>が株式を追加取得したサイジニア<6031>は同24.9%高、第1四半期決算が好感されたモルフォ<3653>は同33.1%高と大きく上昇。アドベンチャー<6030>など昨年12月IPO銘柄の循環物色も見られた。ITbook<3742>は荒い値動きに。ジャスダックではガンホー<3765>が同3.2%高、日本マイクロニクス<6871>が同0.4%高となる一方、日本通信<9424>は同1.7%安と軟調。人気ゲームタイトルのスマートフォン向け作品開発を発表したクルーズ<2138>は同5.6%高。発光ライト開発を発表した倉元製作所<5216>が同2.5倍となるなど、個別材料株物色は活発。テーマ株では、ULSグループ<3798>などのマイナンバー関連や、セキュアヴェイル<3042>などの情報セキュリティ関連に物色が向かったが、足元は利益確定売りが優勢。2月訪日外国人客数の発表でプロルート丸光<8256>なども買われた。新規上場銘柄では、17日上場のエムケイシステム<3910>が公開価格の4.3倍、コラボス<3908>が同2.4倍、19日上場のショーケース・ティービー<3909>が同2.9倍という好初値を付けた。

今週の新興市場は、マザーズ市場への資金流入が継続するかが焦点となるが、売買代金の低迷が続いているほか、ミクシィなどでは戻り待ちの売り圧力の強さも意識され、本格回復というにはまだ遠いか。また、今週は10社が上場するIPOラッシュのため、新規上場銘柄に関心が向かいそうだ。好初値を付ける銘柄が続けば、既上場銘柄への資金還流も期待されるところ。

3月下旬には12月期決算企業の株主総会が一斉に開催される。委任状争奪戦が展開されている大塚家具<8186>(27日)、業績低迷が続く日本マクドナルドHD<2702>(27日)などの動向がメディアを賑わせそうだ。株主向け企画を公表するというカヤック<3904>(25日)にも注目したい。なお、26日には3月期末の権利付最終売買日となるので注意が必要。週前半は権利取りの動きが続きそうだ。

IPO関連では、24日にRS Technologies<3445>(マザーズ、以下M)、ファーストコーポレーション<1430>(M)、イード<6038>(M)、25日にAiming<3911>(M)、ハウスドゥ<3457>(M)、シンデン・ハイテックス<3131>(ジャスダック)、26日にモバイルファクトリー<3912>(M)、日本動物高度医療センター<6039>(M)、プラッツ<7813>(M)、27日にsMedio<3913>(M)が新規上場する。初値買い資金分散の影響が懸念されるが、公開規模の小さな案件が多いこともあり、全体としては堅調スタートが見込まれる。



<TN>

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