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新興市場見通し:中小型株物色が中心、4月IPOも本格スタート

注目トピックス 市況・概況

先週の新興市場は、日経平均が一時2万円の大台を回復するなか、個人投資家などが積極的にリスクを取りにいく姿勢を強め堅調に推移した。相対的に出遅れ感のある中小型株への海外勢や国内機関投資家の資金流入も意識されており、個別材料株やテーマ株を中心に物色意欲は旺盛だった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.4%であったのに対して、マザーズ指数は+3.5%、日経ジャスダック平均は+2.2%だった。マザーズ指数は窓を開けて25日線を上放れる形に、日経ジャスダック平均は連日で年初来高値を更新する展開となった。

個別では、中小型株の売買が活発で、IoT関連のACCESS<4813>、ブロードバンドタワー<3776>、sMedio<3913>、ゲーム関連のAiming<3911>、個別材料株では倉元製作所<5216>、フューチャーベンチャーキャピタル<8462>、好業績株ではモルフォ<3653>などが新興市場売買代金上位となった。週間騰落率ではフューチャーベンチャーキャピタルが97.6%高、Aimingが24.2%高と大きく上昇した。その他銘柄ではヤマト・インダストリー<7886>、アスラポート・ダイニング<3069>、インフォメーションクリエーティブ<4769>、マルマン<7834>、ジェイホールディングス<2721>、ワイエスフード<3358>などの上昇が目立った。特にジャスダックは中小型株物色の回転が利いている状態と言える。ただ、時価総額上位や従来の主力株では引き続き上値の重い銘柄も多い。マザーズではタカラバイオ<4974>が週間で5.2%高と堅調だが、ミクシィ<2121>は同1.0%高、サイバーダイン<7779>は同3.2%安と相対的に低調。ジャスダックでは日本マイクロニクス<6871>が同11.8%高となる一方、ガンホー<3765>は業績観測報道がネガティブ視されたこともあり変わらずとなった。なお、8日にマザーズ市場へ新規上場したサンバイオ<4592>の初値は公開価格を14.5%下回った。

今週の新興市場は、引き続き中小型株物色を中心とした相場展開となることが想定される。日経平均は先高期待が根強いものの、2万円回復の達成感も意識され、同水準で値固めする展開となるだろう。このため、個人投資家の物色は値動きの軽い中小型株に向かうとみられる。ただ、マザーズ売買代金は未だ1000億円を大きく下回る水準で、時価総額上位銘柄は上値の重い展開が続くだろう。マザーズ指数は200日線が位置する900pt強の水準でこう着感を強める可能性がある。

3月期決算シーズンを前に、モルフォのような好業績銘柄に改めて注目が集まりつつある。また、今週は13日にサイバーステップ<3810>、シリコンスタジオ<3907>、タケダ機械<6150>、14日にウエストHD<1407>、白鳩<3192>、ファンドクリエーショングループ<3266>、ケイブ<3760>などの決算発表が予定されており、前後の株価動向を注視したい。テーマ株では、アップルウオッチ予約開始でウエアラブル関連や、PM2.5対策などの環境関連に注目する。

IPO関連では、17日に海帆<3133>がマザーズ市場へ新規上場し、4月IPOが本格スタートする。居酒屋運営とIPO市場で人気化しにくい事業内容ではあるものの、公開価格を上回る堅調な初値形成が期待される。ただ、サンバイオの低調スタートが今後のIPO案件にどのような影響を与えるか注視する必要があるだろう。その他、Gunosy<6047>など7社のブックビルディング期間となっている。



<TN>

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