ユーロ週間見通し:やや弱含みか、IMFへの融資返済に対する悲観的な見方も
[15/06/06]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
■上昇、ユーロ圏インフレ率上昇などが意識される
先週のユーロ・ドルは上昇。ドラギ欧州中銀総裁が「インフレは2015年内に上向きへ、見通しを上方修正。ボラティリティーの増大に慣れるべき、市場の変動に応じて金融政策スタンスを変更することはない」と述べたことがユーロ買い材料となったようだ。ドイツなどのユーロ圏の長期金利上昇やユーロ圏の5月インフレ率が前年比+0.3%に上昇したことも意識された。取引レンジは1.0887ドル-1.1380ドル。
■弱含みか、ギリシャ債務問題に対する懸念消えず
今週のユーロ・ドルは弱含みか。ギリシャ政府と国際債権団との債務協議は難航するとの見方は少なくない。また、国際通貨基金(IMF)への債務返済に対する懐疑的な見方は消えていないため、リスク回避的なユーロ売りが強まる可能性がある。米国の早期利上げ観測やウクライナの地政学的リスクの緊迫化などもユーロ売り要因となる。
予想レンジ:1.0800ドル-1.1300ドル
■対円レートは上昇、円安・米ドル高の進行やユーロ圏インフレ率の上昇が意識される
先週のユーロ・円は上昇。ドラギ欧州中銀総裁は「インフレは2015年内に上向き、見通しを上方修正」と発言したことやユーロ圏インフレ率の上昇などが材料視された。米ドル高・円安が進行したこともユーロ高・円安の進行を促す要因となった。取引レンジは135円14銭-141円06銭。
■やや弱含みか、IMFへの融資返済に対する悲観的な見方も
今週のユーロ・円はやや弱含みか。ギリシャと国際債権団の協議は難航しており、デフォルト(債務不履行)に陥る可能性は残されている。米ドル高・円安の継続によってユーロの対円レートは下げ渋る可能性があるが、国際通貨基金(IMF)に対するギリシャの融資返済は実現困難との見方が広がった場合、リスク回避的なユーロ売りが優勢となりそうだ。
○発表予定のユーロ圏の主要経済指標・注目イベント
・9日:1-3月期域内総生産改定値(前年比予想:+1.0%)
・12日:4月鉱工業生産(前月比予想:+0.4%、3月:-0.3%)
予想レンジ:137円00銭-141円00銭
<TN>