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欧米為替見通し:黒田日銀総裁=国際金融局長(円買い介入)+財務官(円売り介入)

注目トピックス 市況・概況

本日10日の欧米市場のドル・円は、黒田日銀総裁発言に対する欧米市場の反応、ギリシャの債務問題に関するツィプラス・ギリシャ首相、メルケル独首相、オランド仏大統領の会談に注目する展開となる。

黒田日銀総裁は、衆院財務金融委員会で、「実質実効為替レートでみると円安になっているのは事実。ここからさらに円安はありそうにない」と述べた。

実質実効為替レートとは、国内外のインフレ差を加味して算出した通貨の総合的な強弱を示す為替レートである。日本銀行のデータでは、2014年12月に69.20まで下落して、1973年1月の68.88以来(ドル・円相場:301.93円)の低水準を記録し、現在も70台で推移している。

1985年9月のプラザ合意の時のドル・円相場は、240円台だが、実質実効為替レートは85.16である。

黒田日銀総裁は、国際金融局長時代に、榊原財務官の下で、円安を抑制するために4兆円規模の円買い介入を実施し、財務官としては、円高を抑制するために、14兆円規模の円売り介入を行っている。

黒田日銀総裁が目標に掲げているインフレ目標2.0%達成には、ドル・円相場140円程度が必要との試算もあることで、本日の黒田日銀総裁の「実質実効為替レート」による円安牽制発言は、急激な円安のスピードを抑制するブレーキに過ぎないのではないだろうか。

本日は、ツィプラス・ギリシャ首相、メルケル独首相、オランド仏大統領が会談を行うが、ツィプラス・ギリシャ首相が固執している「レッドライン」を挟んで、6月末の期限に向けたチキンレースの展開に注目することになる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・4月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、3月:+0.5%)
・20:00 米・前週分MBA住宅ローン申請指数(前回:-7.6%)
・03:00 米・5月財政収支(予想:-975億ドル)



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