今夜に注目すべき3つのポイント〜FOMC通過もアク抜け期待しづらい
[15/06/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
17日の欧米市場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■米国株式見通し:FOMC通過もアク抜け期待しづらい
■日経225先物ナイト:日中終値比20円高の20260円で推移
■欧米為替見通し:イエレンFRB議長の年内利上げ予定、9月か12月か?
■FOMC通過もアク抜け期待しづらい
16日のNY市場は上昇。連邦公開市場委員会(FOMC)やギリシャ債務問題の協議結果を見極めたいとの思惑から手控えムードとなる中、5月建設許可件数が予想を上振れたことが好感され、終日堅調推移となった。ダウ平均は113.31ドル高の17904.48、ナスダックは25.58ポイント高の5055.55。
グローベックスの米株先物は小じっかりなほか、欧州市場も総じて小じっかりでのスタートとなっている。市場の関心はFOMCで9年ぶりとなる利上げに踏み切るかであろうが、利上げを予想する向きは少なく、サプライズもなさそうである。とはいえ、イエレン議長をはじめとするFRB幹部らはここ数カ月、利上げ開始後も引き上げペースは緩やかになるとの姿勢をみせている。すぐに利上げに動く可能性は低いとはいえ、イエレン議長は記者会見で、コンセンサスとなる9月、若しくは12月といった思惑なども高まりやすく、アク抜け的な動きは期待しづらい。
その他、ギリシャ情勢への警戒も引き続き手控え要因となろう。ギリシャのチプラス首相は、債務危機への債権団の対応を厳しく非難しつつも、25日に開くEU首脳会議(サミット)が長引く支援交渉の山場となる可能性があると見ているようである。結局はずるずると先送りされる格好である。また、ギリシャのデフォルトの確立は50%との予想もされており、不安定な相場展開が続こう。
なお、経済指標では米MBA住宅ローン申請指数(先週)が予定されている。
■日経225先物ナイトは日中終値比20円高の20260円で推移
17時45分時点の225ナイト・セッションは、日中終値比20円高の20260円で推移。欧州は総じて小じっかりで始まったが、ギリシャのデフォルトリスクの確立が50%との報道もあり、手掛けづらいところ。また、本日は連邦公開市場委員会(FOMC)を控えており、結果を受けた市場の反応を見極めたいとする模様眺めムードが強まりやすい。今回のFOMCでの利上げ開始を予想する向きはないが、イエレン(FRB)議長の会見等で年内どのタイミングかの思惑等が相場の変動要因になりやすい。
(日本時間17:45時点 / 現在値 / 前日比 / 前日比)
・イギリス FT100 / 6713.56 / +3.46 / +0.05%
・フランス CAC40 / 4837.86 / -2.00 / -0.04%
・ドイツ DAX / 11045.41 / +1.40 / +0.01%
■イエレンFRB議長の年内利上げ予定、9月か12月か?
本日17日の欧米市場のドル・円は、連邦公開市場委員会(FOMC)では現状の金融政策の維持が予想されていることで、イエレンFRB議長の会見や「経済の見通し」を注目する展開となる。
3月と4月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、利上げの条件として物価情勢と雇用情勢に「合理的な確信」が生じた時とされている。米国の4月のコアインフレ率は前年比+1.2%でインフレ目標値の2.0%には程遠い状況であり、5月の失業率は5.5%で自然失業率の5.1%に接近しているものの、「合理的な確信」を生じさせる状況ではない。
さらに、イエレンFRB議長は利上げの条件として、「イエレン・ダッシュボード」で注視している9つの雇用関連指標がリセッション(景気後退)前の状況を回復した場合と示唆しているが、直近のデータでは、3つだけが回復しているものの、6つは未回復のままとなっている。
タカ派のフィッシャーFRB副議長は、「早めの緩やかな利上げリスク」と「遅めの急激な利上げリスク」を比較考量しているものの、本日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、現状の金融政策の維持が予想されている。
注目ポイントは、イエレンFRB議長が先日言及した「年内」の利上げの可能性を9月か12月かに特定するのか否か、「経済の見通し」での、失業率やインフレ率の見通しの変更を見極めることになる。
ギリシャ債務協議では、明日18日のユーロ圏財務相会合が最後の審判となる可能性に警戒しながら、ツィプラス・ギリシャ首相とプーチン露大統領が会談を行うことで、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)対 ロシアの対立構図の中でのギリシャの命運に注目することになる。
☆欧米市場のイベントスケジュール☆
・20:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:+8.4%)
・20:00 南ア・4月小売売上高(前年比予想:+2.1%、3月:+2.0%)
・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)が声明発表(金融政策は現状維持の予想)
・03:30 イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長会見
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