欧米為替見通し:ギリシャの最後の審判と米国下院での採決に要注目
[15/06/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日18日の欧米市場のドル・円は、ユーロ圏財務相会合、米国下院での貿易促進権限(TPA)法案の採決、米国のインフレ指標と雇用関連指標などに注目する展開となる。
連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、利上げ開始の条件が物価情勢と雇用情勢に「合理的な確信」が生まれた時、と再表明されたことで、本日の米国5月のインフレ率、米国6月の雇用統計の調査対象週(6月12日)の新規失業保険申請件数に注目することになる。
本日のユーロ圏財務相会合はギリシャに対する最後の審判となりかねないが、バルファキス・ギリシャ財務相は、債権団と合意する公算は小さい、と述べている。
ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は、「合意に至らなければ、ギリシャは債務不履行(デフォルト)へのつらい道のりを進むことを余儀なくされ、最終的にはユーロ圏と欧州連合を離脱することになる」と述べている。
ツィプラス・ギリシャ首相は「救済条件は受け入れられないものであれば拒否し、その責任を負う用意がある」と述べている。
ギリシャ政府は、国際債権団のチキンレースで崖の下に落ちる可能性が高まっているが、明日開催予定のツィプラス・ギリシャ首相とプーチン露大統領の首脳会談で、プーチン露大統領が崖の下に安全網を張ってくれる可能性に警戒することになる。すなわち、ギリシャが、崖の上の北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)から、崖の下のロシアの橋頭堡に移行することになれば、欧米とロシアの対決構造が第2次冷戦へと緊迫化することになる。
米国下院では、12日に否決された貿易調整援助制度(TAA)の採決は7月末まで先送りしたままで、大統領貿易促進権限(TPA)の採決を行う。
アベノミクスの「第1の矢(金融緩和政策)」の射手である黒田日銀総裁が円安牽制発言をした理由は、「第3の矢(成長戦略)」の環太平洋経済連携協定(TPP)合意に向けて、米国議会での貿易促進権限法案の成立を促すためとのことで、米下院での採決に要注目か。
【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・5月小売売上高(含自動車燃料)(前月比予想:-0.1%、4月:+1.2%)
・21:30 米・1-3月期経常収支(予想:-1173億ドル、10-12月期:-1135億ドル)
・21:30 米・5月消費者物価指数(前年比予想:+0.1%、4月:-0.2%)
・21:30 米・5月消費者物価コア指数(前年比予想:+1.8%、4月:+1.8%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:27.7万件、前回:27.9万件)
・22:00 ユーロ圏財務相会合(ルクセンブルク)
・23:00 米・6月フィラデルフィア連銀景況指数(予想:8.0、5月:6.7)
・23:00 米・5月景気先行指数(前月比予想:+0.4%、4月:+0.7%)
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