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新興市場見通し:個別物色シフトで底堅い展開か、メニコンなど5社IPO

注目トピックス 市況・概況

先週の新興市場は、ギリシャ支援協議で合意の見通しが立たないことへの警戒感などから日経平均が一時20000円割れまで下落するなか、個人投資家の物色が中小型株へのシフトを強めたことで堅調に推移した。バイオ、サイバー・セキュリティ関連などのテーマ株物色が一巡した後は中小型の材料株が買われるなど、引き続き循環物色が利いている状態にある。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.1%であったのに対して、マザーズ指数は+1.0%、日経ジャスダック平均は+0.5%だった。マザーズ指数は16日と19日に節目の1000ptを回復し年初来高値を更新している。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で11.0%高と大きく上昇し、マザーズ指数をけん引した。東証1部への昇格期待が強いことに加え、主力大型株の手掛けにくさから海外投資家などの買いも向かっているとの観測がある。同様に指数を押し上げたのがバイオ関連で、そーせいグループ<4565>が同5.5%高、ペプチドリーム<4587>が同8.0%高となった。ジャスダックのカルナバイオサイエンス<4572>も同51.3%高と前週に続き大きく上昇した。パイプライン進捗等の発表を手掛かりに断続的に物色が向かった。テーマ株ではサイバー・セキュリティ関連も買われ、FFRI<3692>が同27.7%高となったほか、ジャスダックのケイティケイ<3035>やセキュアヴェイル<3042>などにも物色が向かった。ただ、週末にかけてテーマ株の中心銘柄は利益確定売り優勢となっている。ジャスダックでは小型材料株物色が活発で、日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>、システム情報<3677>、ヤマノHD<7571>、市進HD<4645>などの上昇が目立った。IPOでは4社が新規上場し、有力バイオベンチャーの大型案件として注目されたヘリオス<4593>が、公開価格を22.5%上回る堅調な初値形成となった。その他3社はいずれも初日値付かずとなるなど、IPO人気が際立つ結果となった。

今週の新興市場は、底堅い展開が想定される。マザーズ指数は節目の1000ptに到達し、同水準を明確に上抜けるためにはもう一つ材料が欲しいところだが、マザーズ売買代金は連日で1000億円を上回っており、中小型株への資金流入が継続している。循環物色の流れでけん引役を替えつつ、新興市場全体では活況が続くとみられる。

テーマ関連の主力銘柄に物色一巡感が広がるなか、成長期待の高まった中小型株への個別物色が活発となっている。ソーシャル・ショッピング・サイト「BUYMA」を運営するエニグモ<3665>は、著名人を起用した新テレビCMで事業拡大が期待されている。また、米Amazonと連携したIoT新サービスを近日発表するジグソー<3914>や、アジアの有力企業グループからの出資受け入れを発表したジェネレーションパス<3195>なども市場での関心が高まっている。引き続きM&Aや事業提携、新商品・サービスなどに関するリリースに注目していきたい。

IPO関連では、24日にエコノス<3136>(札証アンビシャス)、中村超硬<6166>(マザーズ)、25日にファンデリー<3137>(マザーズ)、冨士ダイス<6167>(東証2部)、メニコン<7780>(東証・名証1部)が新規上場する。メーカーや地方企業、再生案件など顔ぶれは多彩で、バイオやインターネット関連企業の上場で盛り上がりを見せた前週のIPO人気が継続するか注目される。



<TN>

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