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為替週間見通し:リスク選好的なドル買いはやや抑制か

注目トピックス 市況・概況

■ドル弱含み、米金利見通し引き下げで早期利上げ観測後退

先週のドル・円は弱含み。17日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明では経済の緩やかな回復や労働市場の改善が指摘された。声明内容を意識してドル買いが強まり、ドルは一時124円45銭まで買われる場面があった。

しかしながら、FOMC予測で政策金利見通しが引き下げられたことやイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が会見で「年内利上げの可能性はあるが、確固たる保証なし」と述べたことでドル売りは次第に強まり、ギリシャ債務問題に対する市場の懸念が一層高まったことによって18日のNY市場でドルは122円48銭まで下落した。取引レンジは122円48銭-124円45銭。

■ドル・円はやや上げ渋る展開か、日米のインフレ率に要注目

今週のドル・円はやや上げ渋る展開となりそうだ。米インフレ率の低迷が予想されていることやギリシャのデフォルト(債務不履行)、ユーロ圏離脱の可能性があることから、リスク選好的なドル買いは、やや抑制されるとの見方が多いようだ。

また、米国議会での貿易促進権限(TPA)法案の成立が先送りされた場合や中東やウクライナの地政学的リスクが緊迫化するリスクが除去されていないこともリスク回避の円買いを促す要因になるとみられている。

しかしながら、本邦機関投資家による外債投資などに絡んだドル買いが増える可能性があるため、ドルが大きく売られる可能性は低いとみられている。

【ユーロ圏緊急首脳会議】(22日)

ユーロ圏緊急首脳会議では、国際通貨基金(IMF)へのギリシャの債務返済期限(6月30日)に向けての最終的な協議が行われる見込み。ギリシャ政府は、債務削減や救済策の6カ月程度の再延長を要請しており、国際債権団の要請は、融資条件の順守となる。ただし、ギリシャ政府が提示された融資条件を受容する可能性は極めて低いとみられており、22日の協議で妥結に至らない場合、ギリシャのデフォルト(債務不履行)やユーロ圏からの離脱を想定してリスク回避の円買い圧力が強まる可能性がある。

【米国の5月コアインフレ率】(25日)

米国の5月のコア個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+1.2%と予想されており、4月の+1.2%と変わらずと見込まれている。予想通りならば、米国連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標+2.0%に対して、「合理的な確信」が生じる水準ではないため、ドル売り要因となる。

【日本の5月コアインフレ率】(26日)

日本の5月のコアインフレ率(生鮮食料品を除く消費者物価指数)は、前年比0.0%と予想されており、4月の+0.3%からの低下が見込まれている。予想通りならば、日本銀行のインフレ目標+2.0%を大幅に下回る水準となるため、追加緩和の思惑が再浮上し、円売り材料となる可能性がある。

予想レンジ:120円00銭-125円00銭



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