欧米為替見通し:前門の対ギリシャ債権者、後門のギリシャ議会
[15/06/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日24日の欧米市場のドル・円は、ユーロ圏緊急財務相会合でギリシャ政府の新改革案が承認されるか否かを見極める展開が予想される。
本日、ツィプラス・ギリシャ首相は、ドラギ欧州中銀総裁、ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事、ユンケル欧州委員長と会談を行い、ユーロ圏緊急財務相会合が開催される。
ギリシャ政府が提出した新改革案は、年金の削減や付加価値税や法人税の引き上げとなっており、リセッション(景気後退)に陥っているギリシャ経済へ更なる負担を強いる内容となっている。
ユーロ圏緊急財務相会合で改革案が承認された場合、ギリシャ議会で改革案の法制化が図られるが、議会で承認されなかった場合は、ツィプラス・ギリシャ首相は、解散総選挙か国民投票の選択を迫られることになる。
ギリシャの与党内からは、反緊縮財政という選挙公約に反するものであり支持できない、という声が強まっており、レフト・プラットフォームは、デフォルト(債務不履行)宣言とユーロ離脱を主張している。
月末の国際通貨基金(IMF)の債務(約16億ユーロ)が返済出来ない場合は、欧州中央銀行(ECB)がギリシャ国債での収益(約19億ユーロ)をギリシャ政府に移管することで返済可能であり、デフォルト(債務不履行)は回避できる、との指摘がされている。
しかし、解散総選挙や国民投票となった場合、7月14日に期限を迎えるサムライ債200億円の返済を迫られることになり、ツィプラス・ギリシャ首相の「オデュッセイア」が続く夏を迎えることになる。
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 独・6月IFO企業景況感指数(予想:108.1、5月:108.5)
・20:00 米・前週分MBA住宅ローン申請指数(前回:-5.5%)
・21:30 米・1-3月期国内総生産確定値(前期比年率予想:-0.2%、改定値:-0.7%)
・02:00 ユーロ圏緊急財務相会合
・02:00 米財務省5年債入札(350億ドル)
・IMF、ECB、ユーログループ、ギリシャ首脳会合
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