今夜に注目すべき3つのポイント〜早期利上げ観測が後退、チプラス首相が譲歩する姿勢を示したとの報道
[15/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
30日の欧米市場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■米国株式見通し:海外金融市場での混乱を受け、早期利上げ観測が後退
■日経225先物ナイト:日中終値比120円高、チプラス首相が譲歩する姿勢を示したとの報道
■欧米為替見通し:ギリシャのデフォルト危機でドル・円は軟調推移か
■海外金融市場での混乱を受け、早期利上げ観測が後退
29日のNY市場は下落。ギリシャ政府高官は、30日に期限を迎える国際通貨基金(IMF)への債務返済を実行しない方針を明らかにした。ギリシャのデフォルト(債務不履行)やユーロ圏離脱への懸念が強まり、世界株安につながった。ダウ平均は350.33ドル安の17596.35、ナスダックは122.04ポイント安の4958.47。
ギリシャ危機が深刻化する一方で、同国以外でも金融の混乱が見られる。米自治領プエルトリコは、「700億ドル(8兆6000億円)に上る負債を返済出来ない」と述べ、事実上のデフォルト(債務不履行)宣言をした。
海外金融市場での混乱を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは数カ月ほど先送りされる可能性があるとの見方が浮上。また、国際通貨基金(IMF)は新たに公表した研究報告書で、FRBに利上げ開始を2016年半ばまで待つよう呼び掛けたと伝えられている。市場の関心が早期利上げ観測の後退に傾く中、前日の大幅な投げに対する自律反発が意識されやすいだろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■日経225先物ナイトは日中終値比120円高、チプラス首相が譲歩する姿勢を示したとの報道
19時00分時点の日経225先物ナイト・セッションは日中終値比120円高の20350円で推移。本日の日経平均20235.73円と比べると約120円上昇。ギリシャのチプラス首相が債務問題で債権団に譲歩する姿勢を示したと報じられたことが材料視されているもよう。為替市場では、ドル・円が122円30銭台、ユーロ・円は136円90銭台と円高進行が一服。
(先物OPアナリスト 田代昌之)
(日本時間18:57時点 / 現在値 / 前日比 / 前日比(%))
・イギリス FT100 / 6582.74 / -37.74 / -0.57%
・フランス CAC40 / 4865.46 / -4.36 / -0.09%
・ドイツ DAX / 11051.68 / -31.52 / -0.29%
■ギリシャのデフォルト危機でドル・円は軟調推移か
本日30日の欧米市場のドル・円は、ギリシャ債務問題への警戒感から軟調に推移しそうだ。
ギリシャは30日に期限を迎えた国際通貨基金(IMF)融資16億ユーロ相当について、返済を履行しない見通しと報じられ、ギリシャがデフォルトに陥る可能性が懸念されている。
ただ、市場では、ギリシャのデフォルトよりも、5日に実施される国民投票に焦点が移っており、ユーロシステム全体への市場の信認が維持できるかどうか、注目されている。
他の市場でもギリシャ問題の影響が大きく、30日のアジア株の下落が目立ったが、その後は持ち直しており、ドル・円は下げ渋る展開が予想される。
市場関係者によると、ドル・円買い材料は122円ちょうどにオプションに伴う厚い買いがあるとみており、この水準が守れるかどうかを注目しているという。
足元では122円の水準を維持しているが、ギリシャ債務問題への警戒感から、目先は123円に戻すほどの勢いは期待できないとの見方を示す。
欧州取引時間帯では、ユーロ圏の5月失業率や6月のインフレ率などの経済指標が発表される予定。ただ、ギリシャ問題への懸念が強く、経済指標が予想の範囲内なら、それほど反応しないと指摘される。
IMFはワシントン時間の30日午後6時を融資返済の期限と設定しているが、債務の不履行ではなく、滞納として取り扱う見通し。
(為替・債券アナリスト 山下政比呂)
☆欧米市場のイベントスケジュール☆
・22:00 米・4月S&Pケース・シラー総合-20価格指数(前年比予想:+5.50%、3月:+5.04%)
・22:45 米・6月シカゴ購買部協会景気指数(予想:50.0、5月:46.2)
・23:00 米・6月消費者信頼感指数(予想:97.4、5月:95.4)
・ギリシャのIMFへの支払期限、第2次支援終了
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