後場に注目すべき3つのポイント〜先高期待強まるも、上海指数を睨みながらの相場展開に
[15/07/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
14日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・先高期待強まるも、上海指数を睨みながらの相場展開に
・ドル・円は123円48銭付近、買い一服後は様子見
・足元軟調だった電気機器セクターの一角にリバウンド狙いの買い
■先高期待強まるも、上海指数を睨みながらの相場展開に
日経平均は大幅に続伸。301.97円高の20391.74円(出来高概算13億8000万株)で前場の取引を終えた。ユーロ圏首脳会議で、ギリシャが財政改革を確実に実行することを条件に、金融支援交渉を始めることで合意した。これが伝えられたのが前日の取引終了後であり、先物市場では一時20370円まで上昇していた。これに現物がさや寄せする格好となり、インデックス買いが日経平均を押し上げている。
ギャップ・アップで25日線を突破して始まると、その後も上げ幅を広げ、一時20435.53円まで上げ幅を拡大させている。ただし、ギリシャについては改革法案を15日までに議会で可決し、実行することを条件としている。これらの政策は先日の国民投票で大多数が反対した内容であり、結果を見極めたいとのムードに。その他、上海指数が小動きで推移していたこともあり、強弱感が対立。
東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1700を超えており、全体の9割を占める全面高商状に。セクターでは33業種全てが上昇しており、証券、非鉄金属、保険、ゴム製品、鉄鋼、その他金融、鉱業、石油石炭、海運などの強さが目立つ。
日経平均は25日線を上回っての推移であり、先高期待が次第に強まってきている。日中値幅は90円程度と狭いが、証券などの強い値動きをみると、一段高が意識されやすい。また、上海指数は4000を挟んでの攻防をみせており、明確に4000を上放れてくるようだと、刺激材料になりやすいだろう。
インバウンド関連については利食いも出やすく、強弱感が対立しやすい。しかし、1年前の為替レートでは、人民元が円に対して2割上昇している。中国人にとって、日本製品は数年前の高値の花から割安商品に変化している。また、円安進行は、来日留学生の増加から、日本の不動産投資に拡大すると予想されている。中国マネーによる内需刺激はさらに拡大しよう。そのため、上海指数を睨みながらの相場展開になりやすい。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は123円48銭付近、買い一服後は様子見
ドル・円は123円48銭付近で推移。堅調な日経平均株価を背景にドル買い・円売りが進んだが、米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言などを控え、様子見ムードが広がっている。
東京市場のドル・円は、123円43銭で寄り付いた後、日経平均の上昇に連動して買いが入り、一時123円73銭に値を上げた。その後は、仲値にかけて国内勢のドル買いもみられたが、利益確定売りやポジション調整のドル売りに押され、寄り付きの水準に戻っている。
市場関係者は、ドル・円について123円70銭程度になると利益確定売りが出やすく、この水準が目先の上値めどと指摘する。また、きょうの取引では「日経平均の上昇は織り込み済みで、上海株が安定するかどうかを注目しつつ、次の材料待ち」と話している。
この市場関係者は、きょう発表される米・6月小売売上高が予想を上ブレし、15、16日に行われるイエレンFRB議長の半期に一度の議会証言で、年内の利上げに確定的な手がかりが得られれば、ドル・円は124円台を目指す展開になるとの見方を示す。
ユーロ・ドルは、1.0974ドルから1.1010ドルのレンジ内で、ユーロ・円は135円75銭から135円98銭のレンジ内で推移している。
12時20分時点のドル・円は123円48銭、ユーロ・円は135円84銭、ポンド・円は191円20銭、豪ドル・円は91円68銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 小瀬正毅)
■後場のチェック銘柄
・足元軟調だった電気機器セクターの一角にリバウンド狙いの買い
・内需・ディフェンシブ関連銘柄は、リスクオン相場のなかで利益確定売り優勢
・自動車株は一部で目標株価引き下げの動き
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・14:00 日銀金融政策決定会合(15日まで)
<海外>
・時間未定・インドネシア中央銀行が政策金利発表(7.50%で現状維持の予想)
<SY>