国内株式市場見通し:日米決算本格化、TPP交渉への期待
[15/07/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■中国、ギリシャ不安で急落した部分を吸収
先週の日経平均は上昇。5日続伸で上げ幅は800円を超え、チャイナ・ショック、ギリシャ不安で急落した部分を吸収した。中国については当局のなりふり構わない株価対策の効果が表れたほか、ギリシャについては、ギリシャが改革案の内容を今月15日までに法制化することなどが伝えられ、週明けの日経平均は300円を超える上昇から始まった。
その後もユーロ圏首脳会議で、ギリシャが財政改革を確実に実行することを条件に、金融支援交渉を始めることで合意など不安材料が後退するなか、リバウンド基調が強まった。もっとも、買い先行後は狭いレンジ内での取引が続いており、週末の日経平均については日中値幅がわずか50円弱のこう着だった。
■急落局面での積極的な個人投資家の押し目買い
日経平均は順調なリバウンドを続けており、6月24日につけた年初来高値20952.71円が射程に入ってきている。ギリシャ問題は長期化するとはいえ、一先ず支援協議に立ったことで、金融不安は後退している。また、中国についても様々な規制や空売りに対する調査といった締め付けなどもあり、落ち着きをみせてきている。依然として売買停止企業などから金融市場の正常化には時間を要するとみられるが、今回のクラッシュ後の切り返しを見る限り、相対的に安定している日本株市場に対する押し目買い意欲は強いだろう。また、ギリシャ問題や中国株安に対する警戒感から海外投資家が先物や現物を売り、株価が下がったところで個人投資家が買ったとみられる。2市場信用残高をみても、買い残高は一気に1年半ぶりの水準まで膨れており、急落局面での積極的な押し目買いが窺えた。
■日米ともに決算発表が本格化、米グーグルは最高値更新
今週は日米ともに決算発表が本格化する。今のところ米国ではJPモルガンチェースなど金融機関の予想上回る決算が相次ぐなど好調な滑り出しとなっており、支援材料として期待される。週末17日の米国市場では、グーグルが過去最高値を更新し、時価総額はこの日だけで約650億ドル増え4680億ドル(約58兆円)となった。4-6月期決算が力強い内容だったことで買いが集まっており、中小型株を中心としたIT関連などへの刺激材料になりそうだ。その他、決算では自社株買いなどの動きも再び意識されてくることになろう。一方で、ギリシャや中国の動揺を受けて、慎重な見通しなどが出される可能性もある。コンセンサスを下回るようだと、利益確定につながりやすく、全体としては見極めムードが強まるなかで、ピンポイントでの物色になりそうだ。
■米利上げ観測への思惑から円安基調に
また、イエレンFRB議長は先週行われた議会証言において、年内利上げへの見解を示している。地区連銀経済報告(ベージュブック)で景気拡大が示されたことをきっかけに、早期利上げ観測なども高まってきている。利上げ開始時期を9月と予想したエコノミストが前回の7割から8割に達しているとの調査結果もある。日本の大規模な緩和政策の一方で、米国に利上げ開始時期への思惑から、円相場は円安に振れやすくなっている。日経平均が年初来高値を射程に入れるなか、円安基調が強まるようだと、先高期待が一段と高まりやすいだろう。
■24日からTPP首席交渉官会合
その他、7月24日からアメリカ・ハワイで環太平洋経済連携協定(TPP)の首席交渉官会合が開かれる。甘利TPP担当相は先月、7月中の合意は可能との見解を示している。課題は山積みながらも進展が見られれば、相場全体の支援材料になるだろう。経済指標については、国内では21日に6月の全国百貨店売上高、22日に6月の訪日外国人客数、23日に発表される6月の貿易統計などが注目される。海外では20日に欧州中央銀行(ECB)が保有する約35億ユーロのギリシャ国債が償還を迎える。22日に6月の米中古住宅販売件数、24日に7月の中国の財新製造業PMI、6月の米新築住宅販売件数が発表される。海外の決算では、20日に米モルガン・スタンレー、21日に米アップル、マイクロソフト、23日に米キャタピラーやGMなどが発表を予定している。
<FA>
先週の日経平均は上昇。5日続伸で上げ幅は800円を超え、チャイナ・ショック、ギリシャ不安で急落した部分を吸収した。中国については当局のなりふり構わない株価対策の効果が表れたほか、ギリシャについては、ギリシャが改革案の内容を今月15日までに法制化することなどが伝えられ、週明けの日経平均は300円を超える上昇から始まった。
その後もユーロ圏首脳会議で、ギリシャが財政改革を確実に実行することを条件に、金融支援交渉を始めることで合意など不安材料が後退するなか、リバウンド基調が強まった。もっとも、買い先行後は狭いレンジ内での取引が続いており、週末の日経平均については日中値幅がわずか50円弱のこう着だった。
■急落局面での積極的な個人投資家の押し目買い
日経平均は順調なリバウンドを続けており、6月24日につけた年初来高値20952.71円が射程に入ってきている。ギリシャ問題は長期化するとはいえ、一先ず支援協議に立ったことで、金融不安は後退している。また、中国についても様々な規制や空売りに対する調査といった締め付けなどもあり、落ち着きをみせてきている。依然として売買停止企業などから金融市場の正常化には時間を要するとみられるが、今回のクラッシュ後の切り返しを見る限り、相対的に安定している日本株市場に対する押し目買い意欲は強いだろう。また、ギリシャ問題や中国株安に対する警戒感から海外投資家が先物や現物を売り、株価が下がったところで個人投資家が買ったとみられる。2市場信用残高をみても、買い残高は一気に1年半ぶりの水準まで膨れており、急落局面での積極的な押し目買いが窺えた。
■日米ともに決算発表が本格化、米グーグルは最高値更新
今週は日米ともに決算発表が本格化する。今のところ米国ではJPモルガンチェースなど金融機関の予想上回る決算が相次ぐなど好調な滑り出しとなっており、支援材料として期待される。週末17日の米国市場では、グーグルが過去最高値を更新し、時価総額はこの日だけで約650億ドル増え4680億ドル(約58兆円)となった。4-6月期決算が力強い内容だったことで買いが集まっており、中小型株を中心としたIT関連などへの刺激材料になりそうだ。その他、決算では自社株買いなどの動きも再び意識されてくることになろう。一方で、ギリシャや中国の動揺を受けて、慎重な見通しなどが出される可能性もある。コンセンサスを下回るようだと、利益確定につながりやすく、全体としては見極めムードが強まるなかで、ピンポイントでの物色になりそうだ。
■米利上げ観測への思惑から円安基調に
また、イエレンFRB議長は先週行われた議会証言において、年内利上げへの見解を示している。地区連銀経済報告(ベージュブック)で景気拡大が示されたことをきっかけに、早期利上げ観測なども高まってきている。利上げ開始時期を9月と予想したエコノミストが前回の7割から8割に達しているとの調査結果もある。日本の大規模な緩和政策の一方で、米国に利上げ開始時期への思惑から、円相場は円安に振れやすくなっている。日経平均が年初来高値を射程に入れるなか、円安基調が強まるようだと、先高期待が一段と高まりやすいだろう。
■24日からTPP首席交渉官会合
その他、7月24日からアメリカ・ハワイで環太平洋経済連携協定(TPP)の首席交渉官会合が開かれる。甘利TPP担当相は先月、7月中の合意は可能との見解を示している。課題は山積みながらも進展が見られれば、相場全体の支援材料になるだろう。経済指標については、国内では21日に6月の全国百貨店売上高、22日に6月の訪日外国人客数、23日に発表される6月の貿易統計などが注目される。海外では20日に欧州中央銀行(ECB)が保有する約35億ユーロのギリシャ国債が償還を迎える。22日に6月の米中古住宅販売件数、24日に7月の中国の財新製造業PMI、6月の米新築住宅販売件数が発表される。海外の決算では、20日に米モルガン・スタンレー、21日に米アップル、マイクロソフト、23日に米キャタピラーやGMなどが発表を予定している。
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