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新興市場見通し:決算発表を受けた個別物色中心の展開、イトクロなど2社IPO

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、米主要企業のさえない決算を受けた米株安から日経平均が上値の重い展開となるなか、相対的に底堅く推移した。ギリシャ情勢や中国景気への懸念後退に伴うリバウンドは一服したものの、引き続き中小型株の個別物色は活発だった。マザーズ指数は後述するミクシィ<2121>の急落が大きな押し下げ要因となったが、25日線がサポートして意識されている。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.5%であったのに対して、マザーズ指数は-0.2%、日経ジャスダック平均は+0.5%だった。

個別では、ミクシィが週間で11.6%安となった。23日から海外公募増資等の価格決定期間に入り急反落すると、決定後も同価格にサヤ寄せする展開で下げ幅を広げた。一方でサイバーダイン<7779>は同1.1%高としっかり。FFRI<3692>は上値追いの展開が続き、週末は利益確定売りに押されたものの同47.4%高と大幅に上昇した。ジャスダックでは、ガンホー<3765>が同0.2%安、日本マイクロニクス<6871>が同5.8%安となる一方、売買代金トップのクルーズ<2138>が同10.8%高と堅調だった。その他では、個別材料を手掛かりとした小型株物色が引き続き活発で、大和コンピューター<3816>、駅探<3646>、オンコリスバイオファーマ<4588>、レアジョブ<6096>、総医研HD<2385>などの上昇が目立った。また、テーマ株では、24日からの環太平洋経済連携協定(TPP)首席交渉官会合を前に、石垣食品<2901>などの低位食品株や翻訳センター<2483>などに物色が向かう場面があった。IPOでは、16日にマザーズへ新規上場したアイリッジ<3917>が、上場3日目の21日に公開価格の約5.3倍となる高初値を付けた。公開価格に対する初値上昇率はテラスカイ<3915>を超え今年最大となった。

今週の新興市場は、決算発表を受けた個別物色中心の相場展開となることが想定される。主力銘柄の決算発表も本格化し、改めて業績動向に注目した物色が活発化するだろう。マザーズ指数や日経ジャスダック平均は押し目買い意欲の根強さから底堅さを見せるものの、当面はややこう着感の強い展開となる可能性がある。

今週は29日にガンホー、タカラバイオ<4974>、JIA<7172>、スパークス・グループ<8739>、30日にJACリクルートメント<2124>、ユナイテッド<2497>、アクセルマーク<3624>、Aiming<3911>、セプテーニ・HD<4293>、31日に夢真HD<2362>、アドウェイズ<2489>、インフォマート<2492>、セリア<2782>、UMNファーマ<4585>、イマジニア<4644>、日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>、テクノホライゾン・HD<6629>、イリソ電子工業<6908>、日本精密<7771>、ワットマン<9927>などが決算発表を予定している。業績面で市場評価の高いAimingやセリアなどに注目していきたい。

IPO関連では、29日にデクセリアルズ<4980>が東証1部へ、30日にイトクロ<6049>がマザーズへそれぞれ新規上場する。いずれもブックビルディングでは投資家から一定の関心を集めていたが、公開規模の大きさが初値の重しとなりそうだ。なお、先週は土木管理総合試験所<6171>(8月26日、東証2部)、ラクト・ジャパン<3139>(8月28日、東証2部)、メタップス<6172>(8月28日、マザーズ)の新規上場が発表されている。




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