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新興市場見通し:決算を手掛かりとした物色中心の展開、PCI HDなど2社IPO

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、主力大型株の決算発表が本格化し個別物色が活発化するなか、軟調に推移した。大型株が大きな値動きを見せていることもあり、中小型株に投資家の関心が向かいにくく、マザーズ売買代金は7月28日以降1000億円割れの状況が続いている。マザーズ主力銘柄では週末に自律反発狙いの買いも見られたが、マザーズ指数は25日線を大きく下回って推移している。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.2%であったのに対して、マザーズ指数は-3.2%、日経ジャスダック平均は-1.3%だった。

個別では、前週大きく下落していたミクシィ<2121>が週間で0.2%高となったものの、サイバーダイン<7779>が同3.3%安、そーせいグループ<4565>が同6.3%安となるなど、マザーズ主力銘柄は全般軟調だった。ジャスダックでも、上期業績が2割超の営業減益となったガンホー<3765>が同10.6%安、クルーズ<2138>が同13.1%安と主力ゲーム株が大きく下落した。その他、通期業績予想を発表し材料出尽くしとなったカルナバイオサイエンス<4572>、物色一巡で利益確定売りに押された大和コンピューター<3816>、駅探<3646>、トランスジェニック<2342>、総医研HD<2385>などの下げが目立った。一方、コラボス<3908>が需給面主導で大きく上昇したほか、ウィルソン・ラーニング ワールドワイド<9610>は日本経済新聞社による英フィナンシャル・タイムズ買収を材料視した物色が継続した。好決算のアイティメディア<2148>やさくらインターネット<3778>、スマートフォンゲームが好調なイグニス<3689>なども買われた。IPOでは、29日にデクセリアルズ<4980>が東証1部へ、30日にイトクロ<6049>がマザーズへそれぞれ新規上場した。両社とも公開規模の大きさが重しとなり、公開価格前後での初値形成となった。

今週の新興市場は、300社近くが決算発表を予定しており、引き続き業績動向を受けた個別物色中心の展開となることが想定される。ただ、主力大型株の決算発表も続くことから、新興市場の売買は低調で、指数も上値が重くなりそうだ。

今週は3日にクルーズ、プロルート丸光<8256>、4日にラック<3857>、免疫生物研究所<4570>、ノジマ<7419>、ワイヤレスゲート<9419>、5日にエムケイシステム<3910>、6日にトランスジェニック、ムゲンエステート<3299>、モブキャスト<3664>、日本マイクロニクス<6871>、大塚家具<8186>、7日にUBIC<2158>、マーケットエンタープライズ<3135>、ヨシックス<3221>、駅探、ブロードバンドタワー<3776>、コラボス、ジグソー<3914>、カルナバイオサイエンスなどが決算発表を予定している。ムゲンエステートなどの不動産株は調整局面が続いたが、好業績期待で買いが入る可能性がある。また、ヨシックスについては一部で高評価の動きが見られ、動向に注目していきたい。

IPO関連では、4日にPCI HD<3918>がマザーズへ、5日にエスケーホーム<1431>が福証Q-Boardへそれぞれ新規上場する。PCI HDはIoT、マイナンバー関連のテーマ株との見方から、個人投資家を中心に人気が高まっている。なお、先週はアクアライン<6173>(8月31日、マザーズ)、ベステラ<1433>(9月2日、マザーズ)、STUDIOUS<3415>(9月2日、マザーズ)の新規上場が発表されている。




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