欧米為替見通し:ドル・円、124円後半もみあいか125円上抜けか見方分かれる
[15/08/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
きょうの欧米市場で、ドル・円はしっかりの展開となりそうだ。米経済指標が上振れすればドル買いが強まる見通しだが、目先の値動きについては124円後半でもみあうか、125円上抜けか、見方が分かれる。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の中立派とみられる米アトランタ地区連銀のロックハート総裁が米紙とのインタービューで、9月の利上げを先延ばしするためには米経済が「大幅に悪化」する必要があると述べたことで、ドル買いが強まっている。9月利上げの期待が強いわりに経済指標がまちまちであることから、ロックハート氏の発言がクローズアップされた。
きょうの欧米市場では、引き続き9月利上げを見極めるうえで経済指標が材料視される。20時に米・先週分MBA住宅ローン申請指数、21時15分に米・7月ADP雇用統計、21時30分に米・6月貿易収支、23時に米・7月ISM非製造業景況指数(総合)が発表される。
このうち、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ判断の手がかりとして雇用情勢を重視することから、7日の7月米雇用統計の発表を控え、7月ADP雇用統計が注目される。雇用情勢の改善が示されれば一段のドル買いが進みそうだ。
ただ、ドル・円の124円半ば以上の値動きについては見方がわかれる。邦銀関係者は、「黒田ライン」はあくまで目安であってそれほど強く意識する必要はないとし、節目125円の上抜けを目指す展開となる可能性を指摘する。一方、米銀関係者は、「上昇トレンドが続くので、上値で買い急ぐ状況ではないのではないか」と述べ、125円の上抜けには時間を要するとの見方を示す。
なお、前日大きく買い戻された豪ドル・円は、中国7月財新サービス業PMIは53.8に改善したものの、きょうの取引では弱含んでいる。
原油価格の反発と、豪準備銀行が豪ドル安について商品の下落で商品相場の大幅な下落に調節しつつあるとの見解を示したことから、前日海外市場では豪ドル買いが進んだ。しかし、足元では米ドル買いの地合いとなり、豪ドル売り・米ドル買い、豪ドル売り・円買いの展開となっている。
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・7月サービス業PMI改定値(予想:53.8、速報値:53.8)
・17:30 英・7月サービス業PMI(予想:58.0、6月:58.5)
・18:00 ユーロ圏・6月小売売上高(前月比予想:-0.2%、5月:+0.2%)
・20:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:+0.8%)
・21:15 米・7月ADP雇用統計(予想:+21.5万人、6月:+23.7万人)
・21:30 米・6月貿易収支(予想:-430億ドル、5月:-418.7億ドル)
・23:00 米・7月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:56.2、6月:56.0)
・英中銀金融政策委員会(6日まで)
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