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国内株式市場見通し:慎重姿勢ながらもタイミングとしては今週が押し目買いの好機に

注目トピックス 市況・概況
■日中の高安の幅が1000円を超える乱高下に

先週の日経平均は波乱の展開となった。チャイナ・ショックが世界的な景気減速への懸念へと拡大するなか、週明けの日経平均は今年最大の下落幅となった。さらに世界連鎖安と拡大するなか、8月24日の米国市場でNYダウの下げ幅が一時1000ドルを超えたほか、VIX(恐怖指数)は50を超え、リーマン・ショック後の最高を更新した。米国では大量の売り注文等の影響によりシステムが1200回以上の中断する混乱となった。この流れを受けた25日の日経平均は日中の高安の幅が1000円を超える乱高下に。その後、震源地の中国では追加の金融緩和政策が発動され、ようやく落ち着きを取り戻すなか、週末にかけては原油相場など商品市況の落ち着きもみられ、日米欧各国とも急速なリバウンドをみせている。

■米国の利上げ開始時期への思惑等が相場の変動要因に

今週は9月1日に中国製造業PMI(購買担当者景気指数)や4日には8月の米雇用統計(予想は非農業部門雇用者数が21.8万人増、失業率が5.3%)を控えていることから、引き続き中国の動向や米国の利上げ開始時期への思惑等が、相場の変動要因になりそうである。足元の急落によって米国では9月の利上げは無いとの見方が大勢を占めてきている。とは言え、4-6月GDP改定値の上振れ等もあるなか、ベージュブックや、週末の雇用統計が近づくにつれて、慎重姿勢が高まる可能性がありそうだ。

米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は先週末に、海外の経済情勢に懸念すべき兆候が出ていることや金融市場が不安定になっていることに配慮すべきだと述べ、9月利上げへの可能性をトーンダウンさせた。一方で、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されている年次経済シンポジウムに出席したフィシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は、9月に利上げを開始するかどうかについては、今も検討中だと述べている。もっとも、先週発表された4-6月GDP改定値を受けた反応を見る限り、9月利上げ再開としても、不透明感の払拭といったアク抜けに向かわせる可能性が高いとみておきたい。

■資源・エネルギー、素材関連などへの見直し

さらに、中国についてはPMIの発表を控えているものの、抗日戦勝記念日を前に、当局による株価下支えなども意識されやすいところである。楽観視は出来ないものの、一先ず落ち着きをみせてくると見ておきたい。中国の落ち着きや原油先物相場など商品相場の底入れ機運を背景に、先週後半辺りから動意をみせてきていた、鉄鋼、鉱業、卸売、石油石炭といった資源・エネルギー、素材関連などへの見直しの流れが強まる可能性がありそう。その他、同様にリスク回避の流れから利食い売りに押されていた電子部品などについても、見直しが意識されるほか、翌週には米アップルのイベントが開催される予定であり、押し目拾いの流れが強まる可能性がありそうだ。

■レイバーデー明け後の海外資金流入を織り込む

その他、経済指標では31日に7月の鉱工業生産指数、9月1日に4-6月期の法人企業統計調査、8月の米ISM製造業景況指数が予定されている。2日には米地区連銀経済報告(ベージュブック)のほか、3日には欧州中央銀行(ECB)金利政策、8月の米ISM非製造業景況指数などが控える。

なお、翌週9月7日の米国市場はレイバーデー(労働者の日)の祝日となる。ここまでは多くの海外投資家は夏季休暇に入っているとみられる。レイバーデー明け後は、改めて利上げ再開時期への思惑等が交錯するほか、日本市場への資金流入も増えてくるだろう。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは動きづらいものの、不透明感払拭によるアク抜けを想定するなか、今週が押し目買いの好機になりそうだ。




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