欧米為替見通し:ドルの戻りは鈍い、中国の景気対策に期待感
[15/09/02]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の欧米市場で、ドル・円は値を戻す展開が予想されるものの、ペースは鈍くなりそうだ。前日発表された米ISM製造業景気指数が低調だったことから、一部で米国経済への不安が出始めている。また、上海総合指数の不安定な値動きもドル・円の重しとなっていることから、市場では中国政府の景気対策実施を見極めたいとするムードが強まっている。
昨日東京時間で崩れた米ダウ先物指数が本日は上昇していることから、欧米市場では株価の反発が期待できよう。2日のアジア株は乱高下したものの、前日のきつい下げに比べれば欧米株安への不安は幾分和らいだと思われる。
ただ、ドル・円の上昇は50銭程度に留まっており戻りの弱さが目立つ。その理由として、1日に発表された8月の米ISM製造業景気指数が市場予想を下回り、2013年5月以来の低水準だったことを受け、米経済への影響もやや懸念が出てきたことが考えられる。
一方、上海株の不安定な値動きに関してある邦銀関係者は、中国政府による株価てこ入れの必要性に言及。「上海株が続伸とならない限りリスク回避の動きは続く」との見方を示す。8月下旬に中国発で世界的株安が続いた際、中国人民銀行は金融緩和を実施しているが、「今度は財政出動により投資や消費を刺激するような景気対策に期待する」とこの関係者は述べている。リーマンショック後の中国は60兆円規模という超弩級の財政出動で、中国のみならず世界の景気を下支えする効果を挙げた。もっとも、その際の財政出動が足元の中国実体経済の歪を生んだとの指摘もある。明日の抗日戦勝記念で当局が何らかのアクションを示すとの見方が浮上しているものの、こうした観点を考慮すると積極的な政策には踏み出せない可能性もあろう。
【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・生産者物価指数(7月)(予想:前年比-2.1%、前回:-2.2%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(予想:0.2%)
・21:15 米・ADP雇用統計(8月)(予想:+20.0万人、前回:+18.5万人)
・21:30 米・非農業部門労働生産性改定値(4-6月期)(予想:前期比+2.9%、速報値+1.3%)
・23:00 米・製造業受注指数(7月)(予想:前月比+0.9%、前回:+1.8%)
・03:00 米・地区連銀経済報告(ベージュブック)
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