国内株式市場見通し:日短観9月調査を受け緩和期待から内需系物色が高まるか
[15/09/26]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
■大型連休明けは独VWの排ガス不正問題が波乱要因に
9月14日〜25日の日経平均は下落。大型連休前は、日本銀行の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)の日米金融政策に市場の関心が集まるなかでの相場展開となった。とりわけFOMCで利上げに踏み切るかを見極めたいというムードのなかで、ポジション調整によるリバランスの動きが中心。FOMCでは、予想通りに政策金利は据え置かれたが、利上げ見送りで金融セクターが売り直されたほか、円相場は1ドル119円台の円高に振れるなか、日経平均は直近の上昇部分を帳消しに。
大型連休明け後は連休中の海外市場の不安定な流れを受けて波乱の展開となった。先週はわずか2営業日ではあるが、24日は独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制の不正問題や中国の9月製造業景況指数が6年半ぶりの低水準となったことが嫌気され、500円近い下げに。翌25日は一時17500円を割り込む局面もみられたが、アベノミクス第2ステージへの期待と日銀の追加緩和期待のほか、権利落ち分の再投資に伴う需給要因が日経平均を押し上げる格好となった。
■イエレンFRB議長は年内利上げ示唆
先週末のリバウンドについては、政策期待や日銀の金融緩和への期待が高まっていたが、基本的には権利落ち分の再投資といったプログラム的な売買が中心であり、週明け以降は明確なボトム形成等を見極める必要があるだろう。VWなど欧州自動車メーカーの世界経済に与える影響や中国の景気減速懸念を見極める必要があるため、しばらくはリバランスと見られる商いが中心になりやすいだろう。
もっとも、注目されていたイエレンFRB議長は24日、「年内にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げ、その後も、雇用市場がさらに改善しインフレ率が目標の2%へと上昇する中で、緩やかなペースで引き続き短期金利を押し上げることが適切になる公算が大きいだろう」と述べた。これまでFRBの利上げをめぐる不透明感が強いあまり、金融市場は不安定な動きが続いていたこともあり、これがアク抜け的な流れに向かわせてくる可能性はある。
■アベノミクス第2ステージ、日銀の追加緩和期待
安倍首相は「新しい三本の矢を放つ」とし、強い経済、子育て支援、社会保障改革を軸に経済再生を実現する考えを強調しており、アベノミクス第2ステージへの期待も高まる。VWなどの世界経済に与える影響が警戒されるなか、日銀による追加の緩和政策への期待が高まりやすいだろう。10月1日に日銀が企業短期経済観測調査(短観9月調査)を発表するが、中国経済の減速影響から悪化するとみられており、改めて追加の緩和期待が高まることになる。
■銀行、不動産、小売など内需系物色へ
明確なボトム形成を見極める必要があるだろうが、押し目買い意欲は次第に強まりそうである。ただし、欧州経済など外部環境の不透明に対して、緩和期待が高まりやすいことから、銀行、不動産など内需系を中心としたセクターや銘柄に向かいやすいだろう。今週はニトリHD<9843>など小売の決算が予定されていることもあり、より内需系に関心が向かいそうである。
その他、中国では10月1日に9月の製造業・非製造業景気指数(PMI)のほか、財新製造業PMI(改定値)、財新コンポジットPMI、財新サービス業PMI等の発表が予定されている。中国の景気減速懸念が高まる可能性はあるが、本土市場は国慶節で1日から7日まで休場となるため、日中の波乱要因は一先ずなさそうである。そのほか、米国では1日に9月のISM製造業景況指数が発表される。2日には9月の雇用統計が発表されるため、こちらも内需関連に向かわせやすいとみられる。
<FA>
9月14日〜25日の日経平均は下落。大型連休前は、日本銀行の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)の日米金融政策に市場の関心が集まるなかでの相場展開となった。とりわけFOMCで利上げに踏み切るかを見極めたいというムードのなかで、ポジション調整によるリバランスの動きが中心。FOMCでは、予想通りに政策金利は据え置かれたが、利上げ見送りで金融セクターが売り直されたほか、円相場は1ドル119円台の円高に振れるなか、日経平均は直近の上昇部分を帳消しに。
大型連休明け後は連休中の海外市場の不安定な流れを受けて波乱の展開となった。先週はわずか2営業日ではあるが、24日は独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制の不正問題や中国の9月製造業景況指数が6年半ぶりの低水準となったことが嫌気され、500円近い下げに。翌25日は一時17500円を割り込む局面もみられたが、アベノミクス第2ステージへの期待と日銀の追加緩和期待のほか、権利落ち分の再投資に伴う需給要因が日経平均を押し上げる格好となった。
■イエレンFRB議長は年内利上げ示唆
先週末のリバウンドについては、政策期待や日銀の金融緩和への期待が高まっていたが、基本的には権利落ち分の再投資といったプログラム的な売買が中心であり、週明け以降は明確なボトム形成等を見極める必要があるだろう。VWなど欧州自動車メーカーの世界経済に与える影響や中国の景気減速懸念を見極める必要があるため、しばらくはリバランスと見られる商いが中心になりやすいだろう。
もっとも、注目されていたイエレンFRB議長は24日、「年内にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げ、その後も、雇用市場がさらに改善しインフレ率が目標の2%へと上昇する中で、緩やかなペースで引き続き短期金利を押し上げることが適切になる公算が大きいだろう」と述べた。これまでFRBの利上げをめぐる不透明感が強いあまり、金融市場は不安定な動きが続いていたこともあり、これがアク抜け的な流れに向かわせてくる可能性はある。
■アベノミクス第2ステージ、日銀の追加緩和期待
安倍首相は「新しい三本の矢を放つ」とし、強い経済、子育て支援、社会保障改革を軸に経済再生を実現する考えを強調しており、アベノミクス第2ステージへの期待も高まる。VWなどの世界経済に与える影響が警戒されるなか、日銀による追加の緩和政策への期待が高まりやすいだろう。10月1日に日銀が企業短期経済観測調査(短観9月調査)を発表するが、中国経済の減速影響から悪化するとみられており、改めて追加の緩和期待が高まることになる。
■銀行、不動産、小売など内需系物色へ
明確なボトム形成を見極める必要があるだろうが、押し目買い意欲は次第に強まりそうである。ただし、欧州経済など外部環境の不透明に対して、緩和期待が高まりやすいことから、銀行、不動産など内需系を中心としたセクターや銘柄に向かいやすいだろう。今週はニトリHD<9843>など小売の決算が予定されていることもあり、より内需系に関心が向かいそうである。
その他、中国では10月1日に9月の製造業・非製造業景気指数(PMI)のほか、財新製造業PMI(改定値)、財新コンポジットPMI、財新サービス業PMI等の発表が予定されている。中国の景気減速懸念が高まる可能性はあるが、本土市場は国慶節で1日から7日まで休場となるため、日中の波乱要因は一先ずなさそうである。そのほか、米国では1日に9月のISM製造業景況指数が発表される。2日には9月の雇用統計が発表されるため、こちらも内需関連に向かわせやすいとみられる。
<FA>