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欧米為替見通し:連鎖的株安受けリスクオフのドル売り

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今日の欧米市場は、ドル売り基調となりそうだ。昨夜の欧米株安の流れは日本株市場を巻き込むなど世界同時株安の様相となっており、リスク回避の動きが強まろう。また、足元の米金融当局者の発言内容の違いが鮮明になっていることも、ドル買い手控えの要因に。

29日は日経平均株価と上海総合指数がともに大幅安となったほか、米ダウ先物は時間外取引で軟調となっている。今回の連鎖的な株安の背景は中国景気への警戒など様々だが、一部では「スイス資源大手グレンコアの経営危機観測が信用不安を生じさせている」との声も聞かれる。また、オイルマネーの動きも警戒されることなどから、今日の欧米市場では前日同様「株売り・ドル売り」に振れやすいとみる。ドル・円は東京市場で119円25銭(16時現在)まで下落し、18日につけた119円06銭で下げ止まるかどうかが注目。ある邦銀関係者は「119円を割り込んだ場合にはトレンドが変わる可能性がある」と指摘する。

一方、経済指標は、英・8月住宅ローン承認件数(17:00)、独・9月消費者物価指数速報値(21:00)、米・7月S&Pケース・シラー住宅価格指数(22:00)、米・9月消費者信頼感指数(23:00)の発表が予定されている。ただ、今日の取引で経済指標を材料視した動きは入りにくいと見る。

というのも、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に関し、当局者から両極端の見方が出ているためだ。28日にはニューヨーク連銀のダドリー総裁、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、シカゴ連銀のエバンズ総裁の3氏が講演やイベントで発言。ダドリー氏とウィリアムズ氏は10月利上げの可能性に言及。一方、エバンズ氏は事実上のゼロ金利政策を想定よりも長期間継続する必要性を強調した。このように見解の違いが鮮明となっていることから、仮に経済指標が堅調でも買いが入りにくい展開となろう。


【今日の欧米市場の予定】

・17:00 英・8月住宅ローン承認件数(予想:69800件)
・21:00 独・9月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.1%、8月:+0.2%)
・22:00 米・7月S&Pケース・シラー住宅価格指数(前年比予想:+5.20%)
・23:00 米・9月消費者信頼感指数(予想:96.5、8月:101.5)



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