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欧米為替見通し:黒田日銀総裁の強気発言で、かえって追加緩和の思惑が高まる展開に

注目トピックス 市況・概況

今日の欧米市場では、日銀による追加金融緩和を期待した円売りが進みそうだ。日銀の黒田東彦総裁が物価目標の達成などに強気な姿勢を示したことが、かえって今月30日の会合で緩和に踏み切るとの思惑が高まると予想する。

黒田総裁は会合後の記者会見で、「物価2%の達成時期は2016年度前半、原油価格の動向によって前後」「2%の目標を早期に達成する方針に変わりはない」「物価の基調は着実に高まっている」とこれまで通りの見解を示した。ある大手証券の外為ストラテジストは「黒田総裁は、以前にもタカ派的な発言をした後、サプライズ狙いで緩和に踏み切った経緯がある」とし、強気の姿勢は、逆に緩和のサインと受け止める。

日銀は7日の金融政策決定会合で、現行の金融政策の維持を8対1の賛成多数で決めた。一部の市場関係者は追加金融緩和を予想していたことから、ドル・円はドルの失望売りが強まり、一時119円77銭まで売られた。ただ、市場では、中国発の金融市場の混乱や原油価格の下落などを踏まえると、日銀が目標としている物価2%上昇は難しいことから、早期の追加金融緩和が必要とみられている。

2日に発表された米9月雇用統計が想定外に悪化し、米利上げ観測が急速に後退するなか、欧米市場では日銀の追加金融緩和が注目される公算が大きい。こうした背景から、ドル・円は足元収斂している120円を上放れる可能性があろう。今日の欧米市場では今週のレンジ上限である120円50銭台半ばをクリアできるか注目したい。


【今日の欧米市場の予定】

・17:30 英・8月鉱工業生産(前月比予想:+0.3%、7月:-0.4%)
・17:30 英・8月製造業生産(前月比予想:+0.3%、7月:-0.8%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週分)
・02:00 米財務省10年債入札(210億ドル)
・03:00 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演
・04:00 米・8月消費者信用残高(予想:195億ドル、7月:190.97億ドル)



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