後場に注目すべき3つのポイント〜想定内の一服、上値の重さより下値の堅さが意識される
[15/10/08]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・想定内の一服、上値の重さより下値の堅さが意識される
・ドル・円は119円92銭付近、日経平均の下落で弱含み
・Fリテ<9983>が日経平均を約42円押し下げ、本日通期決算発表
■想定内の一服、上値の重さより下値の堅さが意識される
日経平均は反落。123.84円安の18199.14円(出来高概算12億3000万株)で前場の取引を終えた。前日まで6営業日続伸で1400円近く上昇していたこともあり、目先の利益を確定させる動きとなった。小反落で始まった日経平均は、その後、国慶節からの大型連休明けとなる中国への思惑から、一時18400円に乗せる局面もみられた。
しかし、上海指数は25日線を突破したものの、その後の伸びは鈍く、これを受けて利益確定の流れが強まっている。また、円相場が1ドル119円台後半と120円を下回って推移していることも利益確定に向かわせている。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が全体の6割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数ともにマイナス圏で推移。
セクターでは、パルプ紙、海運、鉄鋼、不動産、電気機器、機械が小じっかり。半面、小売、空運、食料品、水産農林、医薬品などが冴えない。
中国市場の伸び悩みが利益確定の流れにつながっている。もっとも、これまで6営業日続伸だったことからみれば、当然の一服といったところであろう。ただし、中小型株やテーマ株など個人主体の銘柄等は手がけづらさが窺えるが、日経平均は前日のレンジ内での推移である。5日線を上回って推移しており、押し目拾いのスタンスは継続しておきたい。
また、中国関連が冴えないが、インバウンド関連は前日から利益確定が強まっており、利益確定の流れが継続。一方で、コマツ<6301>や商社などは伸び悩みをみせているとはいえ、寄り付き価格は上回っており、短期筋の資金回転は利いている状況であろう。
米国では年内利上げ観測が後退しているなか、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する FOMC議事録(9月16日、17日分)に注目が集まる。模様眺めムードが高まりやすい状況を考えれば、想定内の値動きであろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は119円92銭付近、日経平均の下落で弱含み
ドル・円は119円92銭付近で推移。底堅い値動きとなったが、日銀の追加金融緩和が見送られたことから、売り買いが交錯した。
ドル・円は午前中の取引で、120円前半の水準で底堅い値動きが続いていたが、日銀の追加緩和が見送られるとみたファンド勢が売りを仕掛け、120円を割り込んだ。その後、日銀は現行の金融政策の維持を賛成多数で決定。これを受け、ドル・円は一時119円77銭まで売り込まれた。
午前中の取引で日経平均株価は反転し、小幅高となる場面もあったが、特に材料視されなかった。ただ、ランチタイムの日経平均先物は下げ幅をやや拡大。日銀決定会合を消化したことで、午後は株価が材料視され、ドル・円は弱含む可能性がある。
12時26分時点のドル・円は119円92銭、ユーロ・円は134円95銭、ポンド・円は183円56銭、豪ドル・円は86円19銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・Fリテ<9983>が日経平均を約42円押し下げ、本日通期決算発表
・ファナック<6954>、ダイキン<6367>など一部の中国関連上昇
・海運、パルプ・紙、鉄鋼セクターが上昇率上位
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・14:00 日銀金融経済月報(10月)
・14:00 9月景気ウォッチャー調査・現状(予想:49.0)
<海外>
・14:45 スイス・9月失業率(予想:3.4%、8月:3.3%)
・15:00 独・8月貿易収支(予想:+190億ユーロ、7月:+250億ユーロ)
・15:00 独・8月経常収支(予想:+167億ユーロ、7月:+234億ユーロ)
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