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新興市場見通し:指数はもみ合い続く、ゆうちょ・かんぽのブックビルディングは16日まで

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、週初に日経平均が18000円台を回復するのに連れ上昇した。マザーズ指数も商いを伴って上昇し800ptを回復したが、その後は同水準を挟んだもみ合いが続いた。値動きの軽い小型株への物色は比較的活発だが、ミクシィ<2121>など時価総額上位銘柄は上値が重く、指数の重しとなった。週末9日に日経平均が300円近く上昇した局面でも、新興市場の上げ幅は相対的に低位となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+4.0%であったのに対して、マザーズ指数は+2.6%、日経ジャスダック平均は+2.7%だった。

個別では、マザーズのミクシィが週間で0.2%安、サイバーダイン<7779>が同1.5%安、FFRI<3692>が同6.5%安と低調だった一方、バイオ株のタカラバイオ<4974>が同10.3%高、ペプチドリーム<4587>が同4.5%高、オンコセラピー・サイエンス<4564>が同4.3%高となり指数を押し上げた。ノーベル賞発表の前後でバイオ株に買いが向かった。ファーマフーズ<2929>は前週からの人気が続き、同31.8%高と大きく上昇した。その他では、売買代金上位のベステラ<1433>やPCI HD<3918>、MVNO・マイナンバー関連などとして人気化したパシフィックネット<3021>の上昇が目立った。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同0.6%安となる一方、日本マイクロニクス<6871>が同5.6%高、セプテーニ・HD<4293>が同4.1%高、デジタルガレージ<4819>が同6.0%高と堅調だった。アイサンテクノロジー<4667>は自動運転車関連として再動意を見せ、同79.5%高と急伸した。業績予想を上方修正したレイ<4317>が買われたほか、フューチャーベンチャーキャピタル<8462>、GMOペパボ<3633>、ユビキタス<3858>などの上昇も目立った。反面、ノーベル文学賞への思惑から前週まで物色の向かっていた文教堂グループHD<9978>は利益確定売りに押された。

今週の新興市場は、決算などの材料を手掛かりとした個別物色中心の展開となることが想定される。引き続き値動きの軽い小型株や、出遅れ感のある銘柄などが選好されやすいだろう。指数寄与度が大きいミクシィなどは、足元で上値の重い展開が続き、物色が向かいにくい。マザーズ指数は800ptを挟んだ水準でのもみ合いが続くとみられる。

今週は、14日にウエストHD<1407>、いちごグループHD<2337>、ファンドクリエーショングループ<3266>、ケイブ<3760>、テラスカイ<3915>、メタップス<6172>、15日にパシフィックネット<3021>、アクロディア<3823>、文教堂グループHDなどが決算発表を予定している。このうち、いちごグループHDは9日引け後に業績予想の上方修正を発表している。また、先週には第3次安倍改造内閣が発足、始動しており、政策関連の動きも注視しておきたい。

IPO関連では、15日にAppBank<6177>がマザーズへ新規上場する。知名度の高さやバリュエーション面の割安感が材料視される一方、一部では慎重な声も聞かれ、足元の市況等からも初値形成時には様子見ムードが広がる可能性がある。また、先週8日から日本郵政グループ3社(日本郵政<6178>、かんぽ生命保険<7181>、ゆうちょ銀行<7182>)のブックビルディングが開始されている。かんぽ生命保険とゆうちょ銀行は16日までとなる。売出額1.4兆円の大型上場だけにどこまで需要を積み上げることができるか注目したい。


(Horiko Capital Management LLC)

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