欧米為替見通し:ドルは120円が遠のく可能性、米小売売上高などを注視
[15/10/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の海外市場では、ドル・円のダウンサイドリスクに警戒する必要がありそうだ。注目される米9月小売売上高が弱含むと、消費面への懸念から米利上げ後退観測がさらに強まろう。一方、9月下旬以降、買戻しが進んだドル以外の主要通貨に調整の売りが強まるとドル・円の下押し要因となるため、もみあっていた120円水準が遠のく可能性もある。
今日21時半に発表される米・9月小売売上高は前月比+0.2%と、8月並みの実績が見込まれている。ただ、内訳をみると、自動車や建材を除く小売売上高は前月から縮小すると予想されている。このため、予想通りか予想を下振れるようだと米国内の消費の減退に警戒感が強まり、米年内利上げの見方がさらに後退することで、ドル売りに振れやすい展開となろう。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の利上げ先送りを決定した後、ドル以外の主要通貨は買戻されていたが、今週に入ってからスピード調整が強まっている。ある邦銀関係者は、こうした調整の売りは「まだ十分ではない」と見ており、ドル以外の主要通貨売り・円買いの流れになると、「円買い」の影響からドル売り・円買いに振れやすくなるとのシナリオもある。
8月末の急落一巡後、ドル・円は120円挟みの値動きが続いている。「119円台に持ち高が観測されていない」(先の邦銀関係者)とのことから、ドルじり安を予想する向きもある。ただ、もち合いレンジの下限である119円前半ではストップロスが入っているとの見方もあることから、経済指標が低調だった場合、ドル売りが進み、レンジ下限下放れのタイミングで一段のドル売りにつながる展開も頭に入れておきたい。
【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・6-8月期ILO失業率(予想:5.5%、5-7月5.5%)
・17:30 英・9月失業率(予想:2.3%、8月:2.3%)
・18:00 ユーロ圏・8月鉱工業生産(前月比予想:-0.5%、7月:+0.6%)
・20:00 米・住宅ローン申請指数(前回:+25.5%)
・21:30 米・9月小売売上高(前月比予想:+0.2%、8月:+0.2%)
・21:30 米・9月生産者物価コア指数(前年比予想:+1.2%、8月:+0.9%)
・23:00 米・8月企業在庫(前月比予想:+0.1%、7月:+0.1%)
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
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