欧米為替見通し:日銀緩和への期待と警戒が交錯、ドルは上値が重い展開
[15/10/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の海外市場では、ドルは上値が重い展開となりそうだ。日銀金融政策決定会合を来週に控え、追加金融緩和への期待感から円売りが進みやすい一方、追加措置に踏み切らないリスクへの警戒感から、ドル・円は東京市場同様、節目の120円付近で利益確定売りが強まる可能性があろう。
今日8時50分に発表された9月の貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は1145億円の赤字となった。貿易赤字は6カ月連続。市場では6カ月ぶりに黒字に転換するとみられていた。輸出が低調だったことから、金融市場では日銀が30日に開く金融政策決定会合で、追加金融緩和に踏み切るとの期待が広がり、日経平均株価が上昇。ドル・円は株価の上昇に連れ高する展開となった。
「黒田東彦総裁が目標としている物価上昇率の達成などで強気な見方を示しているため、30日の会合で追加措置は想定しにくい」(邦銀筋)との見方から、約1週間ぶりに120円に回復したことをきっかけに、利益確定売りが出やすい地合いになるとみる。
ドル・円は前週118円台に下落したことで値ごろ感による買いが入り、120円付近で利益確定売りが強まりやすいとみる。また、オプション絡みのドル売りも観測されるため、この水準を上抜けたとしても長続きしない可能性がある。動意付くとすれば、欧州中央銀行理事会を受けたユーロ・ドルの値動きがきっかけとなろう。
【今日の欧米市場の予定】
・20:00 米・先週分MBA住宅ローン申請指数(前回:-27.60%)
・23:00 カナダ中銀が政策金利発表(0.50%で現状維持の予想)
・02:00 カーニー英中銀総裁講演
・02:30 パウエル米FRB理事が討論会で司会
・香港株式市場は休場(重陽節)
・米・決算発表:ボーイング、コカ・コーラ、ゼネラル・モーターズ、アメリカン・エキスプレス、イーベイ、サンディスク
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