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新興市場見通し:売買代金回復はまだ先も、全体株高のなかで出遅れ修正の動き向かう余地

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、日経平均が週後半にかけて上値を伸ばす中、マザーズ指数、日経ジャスダック平均ともに上値の重さが目立つ展開になった。個人投資家の関心は、東証1部上場の主力大型株に向かっており、新興市場銘柄への注目度は全般的に低下している。マザーズでは一部の直近IPO銘柄の活況で売買代金が1000億円に回復する場面も見られたが、その日はジャスダック市場の売買代金が今年最低を更新、新興市場の商いは依然活況とは言い難い。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.9%であったのに対して、マザーズ指数は-1.5%、日経ジャスダック平均は+0.4%だった。

個別では、ミクシィが前週末比変わらずと動意薄、サイバーダイン<7779>が週間で3.4%安、FFRI<3692>が同1.7%安と主力株には手控えムード。ペプチドリーム<4587>が同10.0%安、UMNファーマが同25.4%安、上方修正を発表したタカラBIOが1.2%安など、バイオ関連でさえない動きが目立った。一方、15日に新規上場したAppBank<6177>が同44.2%高、売買代金トップと活況になったほか、PCIHD<3918>、ベステラ<1433>など直近IPO銘柄の一角に資金が集中。22日にグリーンペプタイド<4594>、23日にGMOメディア<6180>がマザーズに新規上場、前者は公募価格割れのスタートになった一方、後者は買い気配のまま初日値つかずと対照的な動きに。ほか、金庫の需要増加期待で日本アイ・エス・ケイ<7986>が急騰、ロックオン<3690>はNTTデータ<9613>との協業が材料視され、比較.com<2477>も国内外企業との連携が伝わり大幅高に。モバファク<3912>、野村マイクロ<6254>は上方修正が評価材料視される。半面、日ダイナミクス<4783>、DMP<3652>などは利食い売りに押され、サダマツ<2736>は好業績見通し発表も出尽くし感が優勢になる。

今週の新興市場は、堅調な展開が想定される。世界的な金融緩和期待を背景に、今週も株式市場は上値追いの動き継続が期待される。こうしたなか、相対的に動きが鈍い新興市場にも、出遅れ修正の流れが強まると考えられる。ただ、指数上昇は見込まれる一方、売買ボリュームの回復は期待しにくい。今週は東証1部の主力大型株の決算発表が集中することになり、短期資金の関心はこうした銘柄群に向かいやすいとみられるため。

新興市場の決算発表本格化は来週以降となるが、30日には夢真HD<2362>、セリア<2782>、アンジェス<4563>、UMNファーマ、東映アニメ<4816>、ワットマン<9927>などが予定されている。バイオ関連銘柄の動向などに関心が向かう可能性も。また、郵政グループ3社の上場を翌週に控えて、直近IPO銘柄物色の幅の広がりなども想定されるところ。日銀金融政策決定会合の結果発表を週末に控え、不動産関連などへの関心も高まりやすいと見られるほか、東京モーターショーの開幕を受けて、自動運転関連や燃料電池関連銘柄に注目が向かう余地もあろう。米国ネット株の上昇による関連銘柄への波及効果の可能性なども想定したい。

IPO関連では、27日にパートナーエージェント<6181>、28日にバルニバービ<3418>がいずれもマザーズへ新規上場する。ともに堅調なスタートが見込まれている。なお、10月26日には日本郵政<6178>の公開価格が決定する。




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