欧米為替見通し:リスクオンのドル買い再開、124円を目指す展開か
[15/11/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の海外市場では、リスクオンのドル買いが再開しそうだ。同時多発テロの影響が前日の欧州市場で限定的だったことが背景。米連邦準備制度理事会(FRB)による12月利上げが織り込まれつつあり、欧米株が底堅い値動きを維持すればドルは124円を目指す可能性があろう。
前日の欧州株式市場では、フランス軍がシリア国内にある過激派組織「イスラム国」の拠点を空爆したことで原油価格が上昇。これを背景にエネルギー株が買われ、パリ同時多発攻撃を受けた旅行関連の下げを相殺。株価はプラス圏を維持して取引を終えたことから、テロの影響は総じて限定的とみられ、リスクオンの地合いとなった。
このため、今晩は10月消費者物価指数(22時半)や10月鉱工業生産(23時15分)など経済指標の発表が予定されているが、「米12月利上げ観測を背景に足元ではリスクオンの地合いとなっているため、よほどの低調な内容にならない限りドル買いは続く」と邦銀のある外為ディーラーは予想する。
実際、テロ後のリスク回避の動きで買われたユーロは、今日の東京市場では売りが強まり、ユーロ・ドルは今年4月以来の安値水準まで下落した。一方、18-19日に開かれる日銀の金融政策決定会合での追加金融緩和への思惑から円売りのフローが出やすいため、ドル相場を押し上げる見通し。足元では欧米株の先物が時間外取引で底堅い値動きとなっていることから、ドルは124円を目指す値動きとなりそうだ。
【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・10月消費者物価指数(前年比予想:-0.1%、9月:-0.1%)
・18:30 英・10月生産者物価指数・産出(前年比予想:-1.4%、9月:-1.8%)
・19:00 独・11月ZEW景気期待指数(予想:6.0、10月:1.9)
・22:30 米・10月消費者物価指数(前年比予想:+0.1%、9月:0.0%)
・23:15 米・10月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、9月:-0.2%)
・23:15 米・10月設備稼働率(予想:77.5%、9月:77.5%)
・24:00 米・11月NAHB住宅市場指数(予想:64、10月:64)
・03:15 パウエル米FRB理事講演(決済制度関連)
・03:30 タルーロ米FRB理事がパネル討論会主席(金融システム関連)
・06:00 米・9月対米証券投資・長期有価証券(株式スワップ等除く)(8月:+204億ドル)
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