欧米為替見通し:欧州内でさらに緊張、ユーロは下値を模索
[15/11/18]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 市況・概況
今日の海外市場では、ユーロが下値を模索する展開となりそうだ。前週末に発生したフランス・パリ同時多発テロの短期的な影響による売り買いが一巡。ただ、その後も新たなテロにつながりかねない複数の事件が発生するなど緊張感がさらに高まっていることから、ユーロ売りトレンドが鮮明となろう。
現地時間13日のパリ同時多発テロの後、最初の取引となった16日の欧州市場では、主要株価指数がプラス圏で推移したことから、テロの影響は総じて限定的と市場ではみられた。しかし、その後、ドイツのハノーバーでテロの可能性があるとしてサッカーの親善試合が中止されたほか、米国発パリ行きのエールフランス機2便が、爆破予告を受け目的地を変更。さらに、フランス警察がパリ郊外サンドニで実施した対テロ作戦で銃撃戦が起きた。これらの報道から、フランスを中心に欧州内では緊張状態が一段と高まっている。
ある邦銀関係者は「欧州内でテロが今後も続く可能性があることを考慮すると、リスク回避のユーロ買いといったこれまでの資金の流れが変わる可能性がある」と述べ、今後、ユーロ売りのトレンドが強まると指摘する。一方、欧州中銀は今後のユーロ圏の域内貿易や観光など経済情勢への悪影響が懸念されることから、12月の金融政策理事会で金融緩和方針をさらに強化する見通し。ユーロ・ドルは10日に付けた直近安値の1.0675ドルを17日に下抜けており、目先は下値を模索する展開を想定する。
【今日の欧米市場の予定】
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-1.3%)
・22:00 ロックハート米アトランタ連銀総裁講演(NY手形交換所)
・22:00 NY連銀、クリーブランド連銀、アトランタ連銀の各総裁がパネル討論出席
・22:30 米・10月住宅着工件数(予想:116.0万戸、9月:120.6万戸)
・22:30 米・10月住宅建設許可件数(予想:114.7万戸、9月:110.5万戸)
・02:00 カプラン米ダラス連銀総裁が大学で講義(経済状況と連銀政策)
・04:00 米FOMC議事録公表(10月27-28日分)
・環太平洋連携協定(TPP)首脳会合(マニラ)
・アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(マニラ、19日まで)
<SY>