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欧米為替見通し:ユーロ・ドルはショートカバー継続も、上値は重い

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今日の海外市場では、ユーロ・ドルは上値が重い展開となりそうだ。3日の欧州中央銀行(ECB)による量的緩和策が市場の想定を下回ったことから、市場参加者はユーロのショートカバーを進めているが、まだ持ち高を十分に処分できておらず、ショートカバーはまだ続く見通し。ただ、1.09ドル以上の水準では利益確定売りの動きが鮮明となろう。

ECBが3日の理事会で決定した量的緩和策は、中銀預金金利の引き下げと資産買い入れプログラムの6カ月延長などにとどまり、資産買い入れの増額は見送られた。市場参加者はこの内容に失望し、ECBの発表をきっかけにショートカバーを進めた。このため、同日の欧米市場や4日のアジア市場ではユーロが対主要通貨で急反発。ユーロ・ドルは一時1.0981ドルまで値を切り上げた。ユーロの売り越しは、11月30日-12月4日の週は今年5月以来の高水準となる18万2845枚で、前週の17万5484枚から大幅に増加。売り越しは今週、やや減少する見通しだが、邦銀のある外為ディーラーは「まだ買い戻しをやめるレベルではないと考えている投資家は多い」とみている。

実際、ユーロ・ドルは週明け7日に1.0796ドルまで下落したが、その後再び上昇。足元は堅調地合いが続いている。ただ、ドラギ総裁はECB理事会翌日にニューヨークで講演し、ECBは必要に応じて一段の措置を導入できるため「2%のインフレ目標を遅延なく達成できる」などと発言し、緩和方針の継続を強調した。先の邦銀ディーラーは「欧米の金融政策は方向性の違いが明らかなので、ユーロ売りに動く投資家は多いはずだ」とも述べ、今年のユーロ・ドルの反転レベルである1.05ドル付近でユーロに買いを入れた投資家が1.09ドル台で利益を確定したいとの思惑が強まるとの見方を示す。

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 南ア・11月消費者物価指数(前年比予想:+4.8%、10月:+4.7%)
・20:00 南ア・10月小売売上高(前年比予想:+2.5%、9月:+2.7%)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-0.2%)
・24:00 米・10月卸売在庫(前月比予想:+0.2%、9月:+0.5%)
・03:00 米財務省10年債入札(210億ドル)
・05:00 NZ準備銀行が政策金利発表(予想:2.50%、前回:2.75%)



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