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為替週間見通し:ドルはやや底堅い動きを見せるか、利上げ開始でドル買い基調持続へ

注目トピックス 市況・概況
■ドル弱含み、日銀による早期追加緩和への思惑はさらに後退

先週のドル・円は弱含み。ドルは一時120円05銭まで下げる場面があった。日本銀行の黒田総裁は24日の講演で「2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、量的・質的金融緩和を継続する」との見方を示した。日銀による早期追加緩和への期待はさらに後退したことから、欧米投資家などの間でポジション調整的なドル売り・円買いがやや活発となった。

欧米諸国や中国本土の株価は底堅い動きを続けたが、日本株(日経平均株価)は週間ベースで下落したことも調整的な円買いを促す一因となったようだ。取引レンジは120円05銭-121円51銭。

■ドルはやや底堅い動きを見せるか、利上げ開始でドル買い基調持続へ

今週・来週(12月28日-1月8日週)のドル・円は底堅い展開か。年末年始を挟んでドル・円は緩慢な値動きとなりそうだが、2016年以降に米国の政策金利は段階的に上昇すると想定されており、投資家のドル買い興味が大きく後退することはないとみられる。

1月上旬に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録や米12月雇用統計に対する市場の関心は総じて高い。議事録にタカ派的な意見が多く含まれていた場合や12月雇用統計が予想を上回った場合、ドル買いが強まる見通し。ただし、雇用統計などの有力な経済指標が市場予想を大きく下回った場合、年4回の利上げ期待はやや後退し、短期筋などのドル売りが強まる可能性がある。

【日:11月鉱工業生産】(28日発表予定)
11月鉱工業生産(速報値)は前月比-0.5%と予想されている。市場予想を大きく下回った場合、日銀による追加金融緩和への期待が一部で再浮上する可能性はあるが、市場関係者の多くは早期追加緩和は困難と見ており、リスク選好的な円売りが強まる可能性は低いとみられる。

【米:連邦公開市場委員会(FOMC)議事録】(1月6日公表予定)
米連邦準備制度理事会(FRB)が9年半ぶりの利上げを決定した12月15-16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録では、利上げに慎重なメンバーの意見に注目したい。ただ、議事録が市場コンセンサスの年4回の利上げを想起させる内容であれば、ドル買いに振れやすい。

【米:12月雇用統計】(1月8日発表予定)
12月の非農業部門雇用者数(前月比)は、前月比+20.0万人と予想されている。市場予想を大きく下回らなければドル売りが強まることはないとみられる。ただし、賃金上昇率が鈍化した場合、年4回の利上げ期待はやや後退し、ドルの上値は多少重くなる可能性がある。




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