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新興市場見通し:決算等を受けた個別対応中心、本格反転にはなお時間

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、外部環境への警戒感から相場全体として不安定な状況が続くなか、値動きの荒い展開となった。特に20日から21日にかけて日経平均が1000円超下落した局面では、新興市場でもリスク回避の売りが広がった。積極的な押し目買いの動きは限定的となり、売り方の勢いが強まった。ただ、22日には日経平均が900円を超える上昇となったことに連れ、買い戻しや押し目買いの動きが優勢となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.1%であったのに対して、マザーズ指数は-3.3%、日経ジャスダック平均は-3.3%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で2.9%安、サイバーダイン<7779>が同2.2%安、FFRI<3742>が同7.7%安とマザーズ主力は全般軟調だった。ただ、ミクシィは通期業績予想の上方修正と増配を発表し、週末には急反発した。マザーズでは、前週急伸していたGunosy<6047>のほか、クックパッド<2193>で創業者が株主提案を行った影響が波及したみんなのウェディング<3685>、市場変更とともに公募増資等の実施を発表したムゲンエステート<3299>などが大きく下げた。一方、ジグソー<3914>はAR(拡張現実)関連のテーマ性やリリースを手掛かりに急伸。デザインワン・ジャパン<6048>、フリークアウト<6094>、アプリックスIP HD<3727>の上昇も目立った。ジャスダックでは、日本マクドナルドHD<2702>が同6.4%安、エン・ジャパン<4849>が同7.3%安と軟調。日本マクドナルドHDは米本社が同社株売却のため実施する入札に複数の欧米ファンドが名乗りを挙げていると報じられた。また、今期業績予想を下方修正したシステム・ロケーション<2480>のほか、アドソル日進<3837>、ジオネクスト<3777>などの下げが目立った。一方、セリア<2782>が同1.6%高、セプテーニ・HD<4293>が同7.4%高と堅調。ミラーレス車関連として注目されたテクノホライゾン・HD<6629>や、今期業績予想を上方修正したアイセイ薬局<3170>が急伸した。

今週の新興市場は、決算発表などを受けた個別対応中心の展開となることが想定される。週初は欧米株高や原油価格の上昇を受けて日本株も買いが先行すると見られるが、15年10-12月期の決算発表が本格化することもあり、主力大型株に市場の関心が向かいやすいだろう。マザーズ売買代金は1000億円を下回る状況が続いており、新興市場全体として本格的なリバウンドに転じるにはなお時間を要するとみられる。

今週は25日にアパマンショップHD<8889>、28日にBEENOS<3328>、インフォコム<4348>、フリークアウト、29日にエイジア<2352>、セリア、オンコセラピー・サイエンス<4564>、タカラバイオ<4974>、テクノホライゾン・HD、スパークス・グループ<8739>などが決算発表を予定している。直近ではインフォコムで一部証券会社による高評価が観測されているほか、セリアは月次売上高の堅調推移がポジティブ視されている。また、ARなどの新たなテーマは出遅れ銘柄の買い材料として注目されそうだ。

IPO関連では、はてな<3930>(2月24日、マザーズ)の新規上場が発表された。16年最初のIPOで、インターネット関連企業として比較的知名度も高く、投資家の関心を集めそうだ。なお、仮条件提示は2月5日、ブックビルディングは2月8日から2月15日までの予定となっている。




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