後場に注目すべき3つのポイント〜金融政策は実弾よりリップサービスが有効
[16/01/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・金融政策は実弾よりリップサービスが有効
・ドル・円は118円79銭付近、日本株の反発でリスク選好的な買い
・TDK<6762>、アルプス電<6770>、日東電<6988>が日経平均マイナス寄与度上位
■金融政策は実弾よりリップサービスが有効
日経平均は続伸。32.38円高の17196.30円(出来高概算9億4000万株)で前場の取引を終えた。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、3月の利上げ観測を後退させるほどの内容ではなかったことが嫌気され、NYダウは200ドルを超える下げとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の17055円だったこともあり、これにさや寄せする格好から売りが先行した。
しかし、寄り付き直後に一時17000円を下回ったものの、その後は同水準での底堅さが意識されるなか、じりじりと下げ幅を縮める展開に。原油相場の落ち着きや為替市場での円安なども安心感につながるなか、前引けにかけてプラス圏を回復している。セクターでは食料品、ゴム製品、水産農林、情報通信、陸運、化学、空運などが上昇。一方で上海の弱い動きから鉄鋼、海運が冴えないほか、米アップルの下落影響から電気機器が冴えない。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。
日経平均は、切り上がりをみせる5日線を支持線とした、底堅さがみられている。米FOMCでは3月利上げ観測が維持された一方で、日本では追加緩和期待が再燃しており、これが売り込みづらくさせている。甘利大臣の金銭疑惑問題の説明が行われるが、政治ショックを払拭させるため緩和政策を打ち出すのではとの思惑も働きやすいだろう。原油相場についても前日にサウジアラビアとロシアが、減産反対の姿勢を軟化させているとも伝えられており、落ち着きが見られる。
そのため、いったんは売り方のポジション調整に伴う買戻しが指数を下支えする可能性があるだろう。もっとも、明日の日銀会合で緩和を打ち出すようだと、強い上昇をみせる可能性があるが、米国の3月利上げへの対抗策は考えづらく、瞬間的な上昇にとどまろう。それよりも、先日の欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の「3月に開く次回の理事会で追加金融緩和を検討する」といった時期を指定した発言があれば、現状維持を嫌気しても瞬間で、その後は3月に向けて下がらない相場展開になるだろう。理想は米国の3月利上げ後の追加緩和であり、今はリップサービスが求められる。
(株式部長 村瀬智一)
■ドル・円は118円79銭付近、日本株の反発でリスク選好的な買い
ドル・円は118円79銭付近で推移。日本株の切り返しを受けた値動き。
ドル・円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表を受けた米株安で、東京市場の朝方まで売り込まれた。ただ、118円42銭から反発し、一時118円93銭まで値を戻した。
午前の取引では、米原油先物ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)が31ドル後半で下げ渋ったことから日経平均株価は切り返し、リスク選好的なドル買いが強まったと観測される。
足元では、上海総合指数は不安定な値動きだが、ランチタイムの日経平均先物はプラス圏推移となっていることから、ドルは午後も底堅い値動きとなろう。
12時27分時点のドル・円は118円79銭、ユーロ・円は129円36銭、ポンド・円は169円17銭、豪ドル・円は83円62銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・TDK<6762>、アルプス電<6770>、日東電<6988>が日経平均マイナス寄与度上位
・目標株価引き上げのキヤノン<7751>が堅調
・山陽鋼<5481>は通期売上高を下方修正
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・日銀金融政策決定会合(29日まで)
<海外>
・特になし
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