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欧米為替見通し:来週のドル・円は上値が重い、マイナス金利導入の効果を見極める展開

注目トピックス 市況・概況

来週の欧米外為市場では、ドル・円は上値が重くりそうだ。日銀が導入を決めたマイナス金利の効果を見極める展開が予想される。現時点では日米金利差拡大で今後はドル高・円安基調が見込まれるものの、株価を押し上げる材料にはならないとの見方から、ドルの上昇は限定的とみる。

日銀は28-29日の金融政策決定会合で、当座預金に0.1%のマイナス金利導入を盛り込むなどの追加的な金融緩和政策を賛成5、反対4の賛成多数で決めた。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で「必要ならさらに緩和を実施する」との考えを述べた。欧米市場では今回の日銀の緩和実施は前向きに評価される見通しで、リスクオンの主要通貨買い・円売りに振れやすい展開となろう。

ドル・円に関しては、邦銀のある外為ディーラーはマイナス金利導入によって「日米の金利差拡大で円安基調になる」との見方を示す。このため、昨年は下値支持線として機能していた118円が再びサポートレベルとして意識され、目先は底堅い値動きとなろう。今日22時半発表の米・10-12月期国内総生産(GDP)は前期比年率+0.8%と、7-9月期の+2.0%からは下振れる見通しだが、想定内の内容なら来週以降もドル買いの手がかりとなりそうだ。

しかし、マイナス金利の導入にはデメリットも指摘されている。先の外為ディーラーは「金融株を中心に売りが強まるなど副作用は大きい政策で、これまでのような株高・円安の展開は見込めない」と指摘。日本株の上昇が期待できなくなればドルの上昇は限定的となろう。29日のアジア取引時間帯では日銀の決定を受け、ドル・円は200日移動平均線付近の121円42銭まで一時上昇したが、この水準からさらに値を切り上げる展開は予想しにくい。このため、来週の予想レンジを118円から121円50銭とみる。

【今日の欧米市場の予定】

・16:00 独・12月小売売上高(前月比予想:+0.4%、11月:+0.2%)
・18:00 ユーロ圏・12月マネーサプライ(前年比予想:+5.2%、11月:+5.1%)
・19:00 ユーロ圏・1月消費者物価指数速報値(前年比予想:+0.4%、12月:+0.2%)
・22:30 米・10-12月期GDP速報値(前期比年率予想:+0.8%、7-9月期:+2.0%)
・22:30 米・10-12月期雇用コスト指数(前期比予想:+0.6%、7-9月期:+0.6%)
・22:30 カナダ・11月GDP(前月比予想:+0.3%、10月:0.0%)
・23:45 米・1月シカゴ購買部協会景気指数(予想:45.3、12月:42.9)
・24:00 米・1月ミシガン大学消費者信頼感指数確定値(予想:93.0、速報値:93.3)
・05:30 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演(経済見通し)



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