欧米為替見通し:イランの動向に警戒感残り、積極的には動きづらい
[16/02/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
今日の海外市場では、円安に振れにくいと考える。原油価格は時間外で、1バレル28ドル台と前日比マイナス圏に突入。昨日東京時間18時過ぎに、サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラの4カ国はカタールで会談し、他の主要産油国が追随することが条件に原油生産を1月の水準で凍結することに合意した。サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は「原油市場の改善に向けた十分な措置であり、今後数カ月以内に新たな市場安定化策を検討する可能性がある」との見方を示した。
合意内容が伝わった直後、原油価格は一時1バレル31ドル台に急反発したが、会談にイランが含まれていないことや、イランを含め他の産油国が合意できる条件ではないとの見方から原油価格はその後も軟調な推移となっている。一部では、主要4カ国の合意に価値があるとの声も聞かれるが、市場は1月に経済制裁が解除されたばかりのイランが合意に反発し、凍結実施が先送りとなると見ているようだ。
豪ドル、カナダドル、ユーロ、ドル、ポンドなど主要通貨の対円チャートを確認すると、そろって25日移動平均線より下を推移している。約1ヶ月間の平均値ですらクリアできない状況下、不透明要因が解消されていることを考慮すると積極的な買いは仕掛けにくい。やや円高の地合いを想定する。
【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・10-12月ILO失業率(予想:5.0%、9-11月:5.1%)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:9.3%)
・22:30 米・1月住宅着工件数(予想:117.0万戸、12月:114.9万戸)
・22:30 米・1月住宅建設許可件数(予想:120.0万戸、12月:120.4万戸)
・22:30 米・1月生産者物価指数(前月比予想:-0.2%、12月:-0.2%)
・23:15 米・1月鉱工業生産(前月比予想:+0.3%、12月:-0.4%)
・23:15 米・1月設備稼働率(予想:76.7%、12月:76.5%)
・04:00 米・FOMC議事録(1月26-27日分)
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